リ―デイングスキルテスト
リ―デイングスキルテスト(RST)は、『AI vs教科書が読めない子どもたち』で有名な新井紀子氏がセンター長を勤める国立情報学研究所の考案したテストである。
本来は有料だが、サンプル提供で参加するので無料でできると言う。そんなルートがあったんだ。
著書を読んで少しは知っていたが、実際に着手するとか子どもに受けさせるとか、そこまで真剣に考えたことはなかった。
次のサイトから、さまざまな情報が得られるが、情報が多すぎて精選できない。
たとえば奥深くに隠れているPDF資料「リ―デイングスキルテストで測る読解力とは」には、読解力の11項目のプロセスが記してある。
https://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-1.pdf
1 文節を正しく区切る
2 係り受けの構造を正しく認識する=修飾・被修飾の関係
3 述語項構造や接続詞を正しく解析する=主語述語の構造
4 照応関係を正しく認識する=指示語
5 ~ 語レベルのマッピング
6 ~ 文構造レベルのマッピング
7 既存の知識と新たに得られた知識に対して、論理推論を働かすことにより、実世界に関するさらなる知識を獲得する。
8 得られた多くの情報間の重要度を適切に付与する。特に与えられた観点において、実世界に関するさらなる知識を獲得する。
など11項目のプロセスが挙げられているが、後半は理解が苦しい。
読解力を測る観点が理解できないのだから、自分が読解力を育てるのは難しいのだと思わざるを得ない。
AIが苦手な点と通ずるのが、以下の箇所かもしれない。
◆得られた情報を正しく理解しただけでは、そこから豊かな実世界イメージを獲得することはできません。
新しく得られた知識と既存の知識から演繹する、という7のプロセスを経ることにより、ひとつの知識を数十倍、数百倍に拡張することができるのです。
◆単に膨大な知識を獲得しただけでは、それを問題解決に役立てることができるとは限りません。具体的な問題解決にあたっては、8で挙げた、得られた情報を取捨選択するプロセスが必要となります。
例文は、ごくごく単純な問題だと思うが、逆のこんなところでつまづいていたら、そりゃあ各教科のテストは苦しいなと思う。
https://www.s4e.jp/example
◆近畿地方を中心に、領主や鎌倉幕府に従わず、年貢をうばう武士があらわれた。
→年貢をうばうのは(鎌倉幕府:武士:近畿地方:領主)である。
このようなレベルでの読みの精度を上げるなら「一字読解」のような丁寧な指導が有効だと思う。
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