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November 25, 2018

AIってなあに

11月11日(土)、瑞浪市のサイエンスワールドで行われた、「AIって何だ」という講演を聴いた。
名古屋大学の北栄輔氏のお話は、参加対象の子どもたちには難しかったが、大人には丁寧で良かった。
とはいえ、知らないことの多さに反省してしまった。
(知っている人はごめんなさい)

(1)そもそも人工知能(Artificial Intelligence)という言葉が誕生したのは1956年の「ダートマス会議」。
そんな前だったのかというのが正直な感想。
weblioには、次のように記されている。

◆ダートマス会議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/12 14:04 UTC 版)
ダートマス会議(英: Dartmouth Conference)は、人工知能という学術研究分野を確立した会議の通称である。
1956年7月から8月にかけて開催された。当時、ダートマス大学に在籍していたジョン・マッカーシーが主催した会議で、会議のコンセプト自体はマービン・ミンスキー、ネイサン・ロチェスター、クロード・シャノンらと共に構想した。
その会議の提案書において、人類史上初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という用語が使われたとされる。

(2)AIのブームは今回で3回目。
以下の記載が総務省のサイトにある。
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ア 第一次人工知能ブーム
コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになったことがブームの要因である。
冷戦下の米国では、自然言語処理による機械翻訳が特に注力された。
しかし、当時の人工知能(AI)では、迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことはできても、様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできないことが明らかになり、一転して冬の時代を迎えた。

イ 第二次人工知能ブーム
第二次人工知能(AI)ブームは、1980年代である。
「知識」(コンピューターが推論するために必要な様々な情報を、コンピューターが認識できる形で記述したもの)を与えることで人工知能(AI)が実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステム(専門分野の知識を取り込んだ上で推論することで、その分野の専門家のように振る舞うプログラム)が生み出された。
日本では、政府による「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進された。しかし、当時はコンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったため、必要となる全ての情報について、人がコンピューターにとって理解可能なように内容を記述する必要があった。
世にある膨大な情報全てを、コンピューターが理解できるように記述して用意することは困難なため、実際に活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定する必要があった。こうした限界から、1995年頃から再び冬の時代を迎えた。

ウ 第三次人工知能ブーム
第三次人工知能(AI)ブームは、2000年代から現在まで続いている。
まず、現在「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることで人工知能(AI)自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化された。
次いで知識を定義する要素(特徴量11)を人工知能(AI)が自ら習得するディープラーニング(深層学習や特徴表現学習とも呼ばれる)が登場したことが、ブームの背景にある。

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142120.html

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ムーアの法則(CPUの性能が18ヶ月で2倍になるという法則)を考えたらCPUの性能は10年後には101.6倍、15年後には1024倍だから、今はすごいことになっている。
逆に言うと1965年当時のチップは、64個のトランジスタしか搭載していなかったので、今思えば、何もできなかったに等しい。
記憶媒体だって、我々が20年前に使っていたフロッピーは現代のスマホの画像1枚も入らない容量だ。

AIが人間のように行動できないのは、「もし〇〇の場合は~する」という想定外のたくさんの現実に対応できないからだそうだ。
買い物に行って目的の物がなかったら別の商品に買ってくるといった判断も難しい。
「Aという商品が売ってなかったから何も買わずに帰ってきました」というと「子どものつかい」と批難されるが、まさに今のロボットのレベルはそんな感じだ。

人間は、たくさんのif条件の分岐処理を瞬時に判断できるが、今のAIではそこまではできない。
「鉄腕アトム」や「ドラえもん」などの想像上のロボットは第一次ブームの頃に人々を魅了したが、今なお実現は難しい。
センサーによって1つの機能に特化したロボットの性能はすごいが、人間のようにあれもこれもできて臨機応変に対応できるロビットはまだまだ先だ。

それでも、携帯電話や自動翻訳機、車の自動走行など、かつての夢物語は少しずつ現実になっている。
カーナビだって最適解のルートだけでなく、様々なルートを提示するようになった。かつては最適ルートを外れるとしつこく戻そうとしたり、フリーズすることがあったが、今はすぐに軌道修正をしてくれる。思えばすごい進化をしているのだが、その中にいると案外実感できないものだ。

2020年に間に合わせようとする動きもたくさんあるようで、実に楽しみである。

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