ダークペタゴジー 闇の教授法
「ダークペタゴジー」について、東京電機大学助教の山本宏樹氏がインタビューでまなり詳しく話している。
ぜひ、リンク先から1と2に目を通してみてほしい。
https://synodos.jp/education/19720
◆生徒を怒鳴りつけたり「保護者を呼ぶぞ」と脅迫したりといった露骨な方法だけでなく、クラスメイトが見ているなかで叱責して一罰百戒をうながしたり、学級に連帯責任を課すことでトラブルメイカーの生徒を孤立させたりなど様々なバリエーションがあります。
・・・このように定義されると、自分だってアウトとセーフの境界線にいるような気がする。
◆学校にはダークペダゴジーを引き寄せる事情があります。
まず、生徒たちのなかには、授業中に立ち歩いたり、私語をしたり、決められた服装を守らなかったりと、教員側の望むような秩序に従った行動をとらない子どもが少なからず含まれます。
もちろん校則自体がおかしい場合もあるでしょうが、それでも公式のルールである以上は教師の側に「ルール違反の取り締まり」という職務が発生し、教師たちは生徒側の抵抗を排して指導を押し通すための強権を求めがちになります。
しかも、学校には、子ども同士の間で頻繁に人権侵害や他害行為が生起するために緊急対応的な制圧行為が正当化されやすいという事情があります。
子どもたちは自生的秩序のなかでいじめ関係を形成してマイノリティ生徒に牙を剥いたり、徒党を組んで学級崩壊を引き起こしたり、派閥を作って抗争を行ったりすることがありますし、時には集団的力学のなかで一生徒が教師を圧倒する権力を保持することもあります。
・・・というあたりが、ダークな指導法が蔓延したり黙認されたりする要因。
だからといって、ダークな指導法は許されるものではない。いきすぎた部活指導が問題になるのも、これである。
教育新聞にも山本氏の連載があって、その7回で、教師のありようが指摘されていた。これも耳が痛い。抜粋
(1)「生徒になめられたら終わり」という生徒不信ベースの教育信念をもつ教師は、生徒に対して最初からマウンテイングを仕掛けて立場の違いをわきまさせようとする傾向にある。
・・・「アドバルンーンを叩く」の名のもとに人権侵害があってはならない。
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(2)体罰を受けて育った教師は、そうでない人と比べて体罰を指示する傾向を持つ
(3)子どもは相手を挑発したり、小さな問題を起こしたりして、相手の懐の広さや信頼性を測る「リミットテスト(試し行動)」を行うことがある。教師の優しい言葉掛けに耳を貸さず厳しい指導には従順になる権威主義的な子供、注意を引くために問題行動を起こし叱られることで懐くような愛着障害的特性を持つ子供も存在する。そうした子供に対応するための教育学的知識を持たない教師は、強権的指導に引き寄せられがちである。
・・・なかなか深い指摘である。
善意のある先生が、子どもを何とかよくしようと思うあまりにダークな指導法を選び、そのことを問題に気づいていないのだとしたら罪深い。
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