プログラミング教育は、国家戦略
プログラム教育普及プロジェクト
http://csforall.jp/about/
◆私たちが大切にしているのは、プログラミング「を」学ぶのではなく、プログラミング「で」学ぶ、ということ。
国語の授業があるからといって作家になるわけではありません。
音楽の授業があるからといって作曲家になるわけではありません。同じようにプログラミングの授業があるからといってプログラマーになるわけではありません。
プログラミングを通じて論理的に考え問題を解決する力、他者と協働し、新しい価値を創造する力を育んで欲しいと考えています。
◆海外では、すでに初等教育段階で必修にしている国もあります。
例えば、イギリス、ロシア、ハンガリー。米国もオバマ大統領が重要性を訴え、向こう3年間でプログラミング教育に40億ドル(約4400億円)を拠出することを発表しました。
プログラミングの公教育での必修化は世界的な流れになっています。
・・・ここに出てくる「オバマ大統領が重要性を訴え」は、以下のサイトで分かる。動画もある。
https://techacademy.jp/magazine/1260
https://youtu.be/6XvmhE1J9PY
公開は2013年12月8日。まさに5年前だ。
オバマ氏の言葉を一部抜き書きしてみる。
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「コンピュータ・サイエンスのスキルを身につけることは皆さん自身の未来のみならず、私たちの国の未来にとっても大事なことです。」
「アメリカという国が最先端であり続けるためには、皆さんのような若いアメリカ国民に今後の世界のあり方を変えるようなツールや技術について学んでもらわねばならないのです。」
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この後に次の呼びかけがある。
「新しいビデオゲームを買うだけではなく、自分で作りましょう」
「最新のアプリをダウンロードするだけでなく、創りましょう」
「スマートフォンで遊ぶだけでなく、プログラムしてみましょう」
何と明快で痛快なメッセージであろう。
私が印象に残ったのは
◆大統領が若者にプログラム教育の重要性=国家戦略(国家のプライド)を直接語りかけていることのすごさ、
である。
若い世代に、直接「国家戦略」の趣意を説明することで、モチベーションを高めている。
茂木健一郎氏の「創造する脳」に次の一節がある。
オバマ氏と同じように「国家戦略」としてイノベーションが重要だと訴えている。
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明治維新以来、「坂の上の雲」を追いかけたキャッチアップの時代においては、西洋の進んだ制度を移入し、日本に根付かせる「配電盤」としての大学エリートが有効だった。今や、グローバル経済の中、模倣ではない、絶えざるイノベーションを内発的に実現していかなければ一国の経済は立ち行かない。そんな中、新しいベンチャーを興して自分もお金を儲けるとともに、日本の産業構造を変えるような人材が一国の政府としてもほしいのである。
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茂木氏は「むろん、私たちは日本という国民国家のためだけに創造的であろうとするのではない。個人としてよりよく生きることが、社会としても全体の福利の向上につながる」と続けている。この補足が必要なところが、今の日本の限界かもしれない。
日本の戦後教育では「国家の利益の追求」が語られることは少ない。国家の繁栄を願うことは「国家主義」と批判され、とかく個人の幸福の追求が優先されてきたからだ。道徳の教科化にあたり「愛国心」は執拗に批判されてきた。
確かに、道徳教育の立場から「国家の繁栄・国家戦略」」を語るとややこしい。
しかし、外国語教育やプログラミング教育、論理的思考力の指導の重要性を「国家戦略・世界をリードする日本」と絡めて論ずるなら、批判はかわせると思うし、子ども達が学ぶ上での趣意の説明にもなる。「何のために必要な学習か」を自覚させることは教育効果が高い。
諸外国からの遅れを自覚し、世界をリードできる日本を教育から支えるのが、我々の仕事だ。
最先端の教育の必要性を「国家戦略」として語れるように理論武装したい。
そして、「日本人の気概・プライド」を子どもに語る言葉・具体的な授業実践をストックしたり、共有したりしていきたい。
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