大坂なおみ選手 ~思うように物事が進まなかったときでも受け入れる~
大坂なおみ選手の全豪の決勝が土曜日だったため、土日月とたくさんのニュースをはしごして解説を聴いた。
試合の生放送は見られなくて、ダイジェストを見たが、勝ったと分かっていても「このままズルズルと負けるんじゃないか」と心配したりもした。
あと1手という状況から逆転されて第2セットを落として涙を流していた大坂選手。流れは圧倒的に不利だ。
ところがトイレットブレークを終えたら、非常に落ち着いていて、第3セットはほぼ無表情。勝っても負けても淡々とプレーに徹していた。
この時の様子をあるインタビューでは、勝ち負けを感情に出すと無駄に消耗するから、感情を表に出さないようにしたと語っていた。
あるインタビューでは、最高の舞台で最高の選手と戦っていることに感謝して、存分に楽しもうと気持ちを切り替えたと語っていた。どちらもすごいことだ。
さて、1月28日月)のNHKクローズアップ現代でも特集があった。
その特集の中で一番印象に残ったというか、初耳だったワードが「マチュア」だった。
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武田:皆さん、本当に印象的だったと思うんですけれども、涙も流していた大坂選手が、第3セットが始まったときには全く表情が、むしろなくなって。なぜ、ああいうふうに切り替えることができたのでしょうか?
杉山さん:あそこまで短い時間で切り替えられるのは、私も今、信じられないと思うぐらい、ものすごいことなんですけど。ただやはりトイレットブレークを取ったことによって、相手のことを認めるといいますか、相手は世界一強い選手なんだ、もっと自分は謙虚になって、そして相手のいいところも、自分のいいところも全部受け入れようという、そういう気持ちでコートに戻って来れたんですね。
武田:これまではラケットを投げようとして止めるとか、そういうしぐさを見せることもあったんですけれども、何か大坂選手の気持ちを切り替えるための様子、変化は感じましたか?
杉山さん:すごく発言を聞いていても、何か受け入れることであったり、あとは負けたとしても、自分のやるべきことを全部やろうっていうふうに、なんだか考え自体、根本が変わってきたなと思うんですね。
武田:自分ができないことに怒ったり、嘆いたりするのではなくて、それを受け入れるということですね。
杉山さん:すごく難しいことだと思いますけれども、それをやってくれましたね。
田中:今おっしゃった「受け入れる」ということ、大坂選手自身も意識していたようなんです。今月(1月)21日、準々決勝を前にした会見では、自分の課題について、こんなことを言っていました。「マチュア=成熟したさま」「思うように物事が進まなかったときでも受け入れること。私はまだうまくできていないけど、とても大事なこと」というふうに言ってたんですね。
武田:まさに今、成熟しつつあるということなんですね。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4237/index.html
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・・・NHKの公式HPなのに、放送通りの言葉が書き起こしてあって助かった。
「マチュア=成熟したさま」
「思うように物事が進まなかったときでも受け入れること」
なるほど、思うようにいかない時でも受け入れることが、成熟の証であり、大人の対応か。確かにラケットを投げつけて怒りを表すのは、情けない行為だ。
一喜一憂しない。
淡々とやるべきことをこなす。
そのような「マチュア」の境地に自分も立ってみたい。
大坂選手は自分を3歳児から5歳児くらいには成長したと語っていたが、あの3セット目ですっかり大人=大選手になったと思う。
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