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December 09, 2019

丁寧な指導ができてこそ、コーチングだ。

先のダイアリーで、コーチングと称して「教えない」で威張っている教師のことを書いた。
「総合教育技術」11月号で田中博之氏が、学テ問題対策の「丸投げ」を批判していることと重なった。
 少々長いが引用する。
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 新しい学習指導要領では、活用問題的な学力観が重視されます。もうすぐ新学習指導要領に基づいた新しい教科書ができあがりますが、活用問題への指導書の配当時間数が、少しは増えるのではないかと予想されます。もしも1時間でもあれば、学期に1問だけでもいいので、活用問題に取り組んでみてほしいと思います。
 その際に注意してほしいことがあります。それは、活用問題を子どもに解かせるときに丸投げをしない、ということです。
丸投げというのは、教員は机間指導で見て回ってアドバイスはするものの、基本的に「はい、これを解きなさい」と言って、子どもに自力で解かせるやり方です。 
 子どもたちが活用問題を解けない理由は二つあります。一つは論述して書く力が弱いことです。これは決定的な問題ですから、問題解決の過程や根拠を文章で書く練習をしなければなりません。もう一つは、どんな既習の知識や技能を使えば解けるのかを、正しく思い出せないことです。既に学習した知識や技能を活用せず、やみくもに解こうとしてもできませんから、「難しくてできない」と言い出すのです。
 かといって、「教えすぎると、子どもの考える力を奪ってしまうのではないか」と懸念する先生方もいることでしょう。それは正論ですが、活用問題は難しいのです。丁寧な指導が必要です。
(中略)
 授業中に補助輪付きの時間を、5分でもいいのでとってほしいと思います。活用問題はテクニックを覚えればできるわけではありません。一種のひらめきが必要であり、低位層の子どもがひらめくためには、どの知識が使えそうなのか、どんな公式が使えそうなのかなど、問題を解くために手がかりになるような既有知識を想起させることが重要です。例えば、必要になる既習の計算の技をヒントカードにして「ヒントが欲しい」子どもに挙手させて配るなど、見通しレベルの既有知識の想起をしてほしいと思います。
    「新学習指導要領を反映し活用問題を重視へ」より
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・・・田中氏の言う「丁寧な指導」も、子どもにヒントを与えて既有知識の想起を促すという意味では極めて「コーチング」的だ

 このコーチング的な丁寧な指導の対局が「丸投げ」だ。
 「教えすぎると、子どもの考える力を奪ってしまう」と「教えると、子どもの考える力を奪ってしまう」では意味が違う。
 ダメなのは「教えすぎる」であって、「教える」ではない。

 教師の重要な仕事である「見通しレベルの既有知識の想起」を怠ってはいけない。

 蛇足で書くが、「教師が教える」代わりに「子ども同士の話し合いに委ねて、教師が何もしない」は、もっとタチが悪い。
 教師でも難しい「既有知識の想起を促すヒント」を子供に出せるわけがない。
 もし、利発な子が「そうだ、○○を使えばいいんだ」と発言して、みんなが納得したとしたら、それは「ヒント」ではなく「教え込み」だ。

 配慮のない教師、見通しのない教師、子どもに任せっぱなしの教師は、次の①②③を起こす。

①みんなの前で恥をかかせる
②意味の分からないこと・嫌なこと・難しいこと・失敗しやすいことをやらせる。
③つまらないことを我慢させる

 コーチは本人のやる気を促すべき存在だ。
 だから、「テイーチ」より「コーチ」と言いながら何も教えない教師は、まさにコーチの真逆の存在だ。

 とにかく「テイーチ」より「コーチ」「ファシリテート」などと格好のいいことを言いながら、何も教えない教師は、何者でもない。

何を威張っているんだとつくづく思う。

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