読解力は、より重要な能力
OECD教育・スキル局長アンドレアス・シュライヒャー氏のコメントが12月4日の中日新聞に掲載されていた。
見出しは「読解力はより重要な能力」。
さらに詳しい内容が教育新聞12月9日号に掲載されていたようだが、コンパクトな、こちらの記事を打ち込んだみる。
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読むという行為の性質は大きく変わっており、今回の調査ではデジタル世界における読解力に焦点を当てた。従来の紙の書物は専門家が内容を精査し、書いてあることは正しいと信じられていた。しかし、インターネット上の情報は真偽が分かりにくく、答えも一様ではない。複数の出所の情報を比較し、事実か違憲かの区別をつけることも求められる。こうした意味での読解力を付けるには、デジタル機器をただ使うのではなく、どう使えばいいのかを教えることが大切だ。フェイクニュースが広がる世界で読解力はより重要な能力になっている。
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なるほど。情報の真偽を見極めるための「読解力」が、今後ますます重要になることはよく分かる。
ただし、違和感もあった。
◆従来の紙の書物は専門家が内容を精査し、書いてあることは正しいと信じられていた。しかし、インターネット上の情報は真偽が分かりにくく、答えも一様ではない。
「従来の情報は正しかった、今は真偽が分かりにくい」という構図だが、そうとも言えない。
◆従来の紙の書物は専門家が内容を精査し、書いてあることは正しいと信じられていた。しかし、インターネット上で真逆の情報が溢れることも多くなり、必ずしも正しいと言い切れなくなった。自己責任で情報の真偽を判断せざるを得ない。
「従来の情報が正しい」というんは、あくまで「信じられていた」だけで、本当に正しかったかどうかが別だ。これまではフェイクニュースが堂々と報じられてきたが今は化けの皮が剝がれるようになったのだとも言える。
とにかく複数のテキストから総合判断する・批判検討するという読みのスタンスが大事だということが分かる。PISA調査問題も、学テ問題も、大学共通テスト記述問題も、複数のテキストから情報を読み取ることが求められている。この方向は、もはや後戻りできない。
◆従来の紙の書物は専門家が内容を精査し、書いてあることは正しいと信じられていた。
無論、この「紙の書物」には教科書も含まれる。教科書に書いてあるから正しいわけではない、という読みのスタンスが大事だということも分かる。
シュライヒャー氏のTEDトーク、下記のサイトは日本語もコピペできる。
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