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January 13, 2020

文科省と新井紀子氏の真逆の見解

「ノートが取れない」中学生。日本の子どもたちの読解力はなぜ落ちたのか。新井紀子さんインタビュー

https://www.businessinsider.jp/post-204493

これまで共感することの多かった新井紀子氏だが、今回のインタビュー記事内容には疑問があった。

「是々非々」が、PISA読解力の基本スタンスだから、いくらファンの一人でも、批判的に読む態度は維持したい。
具体的には、1人1台タブレットを否定する次のくだり。

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新井:これはもう終わりだなと。特に小学生には絶対、タブレットは良くないと私は確信しています。
実際、先進的に導入した私立学校や家庭で既に弊害が出ています。小学校からタブレットドリルで学ぶと、紙や長文にはもう戻れないんです。意外なことですけれども、検索すら自分ではできなくなる生徒が出てくる。 学びが非常に“消費的”になるのでしょう。 けれども、大学や社会で求められる学びは“生産的”な学びなので、タブレットドリルで育った子は立ち直れないほど挫折してしまう。

浜田:新井さんも関わっていらっしゃる板橋区の実例で、実際に読解力が上がっている授業では、ICT教育とは無縁の、新聞記事を読んでその要約を書く、という「昭和的」な方法で成果を上げています。実際の現場とは違う政策がなぜ進んでいくのでしょう。

新井:現場を見ていないからだと思います。タブレット導入で今まで7時間かかっていた授業が2時間で終わり、残りは深く考える時間に当てる、というような授業は、麹町中学校のようなある意味「特殊な環境」の学校だけでできることだと思います。保護者も経済的な余裕があり、民間からも支援が集まるような私立学校並みの環境が整っている。それが本当に地方でもできるのかを検証せずに、タブレットという言葉が一人歩きしています。
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・・・これは文科省のメルマガで取り上げている箇所と重ねることができる。

真逆なのだが根っこは同じなのだ。

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今回のPISA調査で明らかになったわが国の教育上の最大の課題は、デジタルデバイスについて、家庭での子供たちの自主的な使用が先行し、OECD諸国に比較してゲーム遊びやチャットなど「遊び」に多く使われている反面、「宿題をする」「学校の勉強のためにインターネット上のサイトを見る」「関連資料を見つけるために授業後にインターネットを閲覧する」等、学校や家庭での学習にデジタルデバイスを使用している者の割合が非常に少ないということです。
 つまりデジタルデバイスをどのように使うべきかということが、家庭においても学校においてもあまり教えられていない状況にあり、子供たちが「自主的」に「遊び」に使っている実態が先行してしまっている、その結果「OECD諸国の中で際立って、学習にデジタルデバイスが使われていない。」ということがこの調査の「きも」なのです。
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新井氏のタブレット反対説は、タブレットが学びにつながらないから反対というもの。
文科省のデジタルデバイス必要説は、今のままではタブレットが「遊び」にしか使われていないからこそ必要というもの。

同じことだ。

今のままなら、新井氏の言うように、タブレットを与えても学びの役に立たない。せいぜいドリル学習にしか使われない。
しかし、だからこそ、タブレットが「情報収集」や「情報選択・検証」といった学習に使われるよう教えていかねばならないのだ。
今は特殊な環境である「麹町中学校」を「どこにでもある当たり前の学校」にしていく必要があるのであって、麹町中学校を特別視していては何の進歩もない。

そもそもタブレット=ドリル学習ではない。
新井氏のつくったRSTだってPC入力ではないか。
むしろタブレットを悪者扱いする意図が分からない。

学習にデジタルデバイスを使う政策を推進するのは、タブレットを遊び道具としか見ていない稀有な日本人を世界標準に戻すためには喫緊の課題だ。

繰り返すが、タブレットが遊びにしか使われていないから、今こそ学校で正しく教えていく必要があるのだ

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