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February 23, 2020

危機管理のあり方


 自分はツイッターしていないが、検索したら、2月16日に有本香氏が次のように発信していた。

◆お化け屋敷がなぜ怖いか。暗くて見えない中を進むうちに、あちらに一つ、こちらに一つお化けが出て来るから恐怖心を煽られる。
国民の心理を考えたら、こういう「お化け屋敷」発信は最悪のやり方。日本人だから世論が荒れないだけのこと。広報のプロを入れたほうがいい。

◆初めに「全員検査」とアナウンス ⇒ 現実的でないので体調不良者のみ ⇒ 感染拡大 ⇒ 全員検査へ。
これも「お化け屋敷広報」+「戦力逐次投入」という最悪のパターン。

https://twitter.com/arimoto_kaori/status/1228839893368881152


 「お化け屋敷広報」は初耳。

 「戦力逐次投入」は、少しだけ記憶があるが理解不十分。

 ツイッターを検索したのは、「虎ノ門ニュース」2月20日(木)の有本香氏の話で、開始43分頃に「リスクマネジメント」で同様の指摘があったからだ。

 以下の部分は私の責任でまとめたもの。

◆最初に、大きく網をかけてだんだん小さくしていくのがリスクマネジメントの基本。
「大きすぎる蓋で押さえ込め。」大丈夫だったら徐々にだんだん蓋を開けていけばいい。
徐々に危機管理レベルを上げていくのが心理的に一番まずい。これが、「お化け屋敷」理論。
お化け屋敷では、一番怖いお化けは最初から出てこない。この、ちょっとずつ悪い情報・だんだん悪くなってくる情報を提示するのが心理的に悪い企業広報のパターン。投資家が信用しないのは、ちょっとずつ悪い情報が出てくること。

・・・司会の居島一平氏が、ガダルカナル島の戦いのようだと評したが、これが「戦力の逐次投入」の典型例。

◆ガダルカナル島の戦いでは、「戦力の逐次投入」の愚かさも『失敗の本質』で指摘されました。問題の大きさを正しく把握せず、小出しに解決策を出して自滅していくことです。
https://diamond.jp/articles/-/98447?page=2

・・・中日新聞の本日2月23日の「視座」の欄。宇野重規氏が「危機に備える哲学」と題した論考の中で、災害対応の経験がある自治体首長の話を紹介されていた。

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(前略)その首長は言った。「危機を管理することはできないが、対応することはできる。」管理と対応はどう違うのだろうか。
 災害などの危機にあたって、その危機を完全に管理することはできないとしても、「追い抜かれない」ことが大事だという。言い換えると、初動において、」なるべく「大風呂敷を広げる」ことが求められる。迅速に、可能な限りの対応を取るべきで、その決断が重要である。なるほど、多くの場合、そこまでの対応は不要だったという結果になるだろう。とはいえ、そのような対応は、来るべき大災害に対する良い訓練になる。
 逆に、初期の段階で小出しに対応すると、」危機が深刻だった場合、取り返しがつかないことになる。いったん後れをとると、対応は後手後手になり、災害に「追いつく」ことができないからだ。

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・・・初動の大切さがよく分かる。

  「初動」でいうと、この宇野氏の意見が悪いという意味ではないが、有本氏は以前の放送で「後出しジャンケン」のことも述べていた。
 後になってから「こうすべきだった」「自分もそう思っていた」というのは簡単だ。

 宇野氏の論考の中で、もう1つ印象に残ったのは、次の箇所だ。
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 その首長がまず指摘したのは「危機を管理する」という発想そのものが、人間の傲慢さを示しているということであった。「危機管理」という言葉には、危機は予測可能であり、ゆえにコントロールできるという発想が込められている。しかし、予測できない事態だからこそ危機なのであり、完全に予測することなどできるはずがない。
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 ちなみに、この日の中日新聞の社説は「恐れのなさに恐れ入る」。当然、コロナウイルスの件での政府の対応を批判しているかと思ったら、「桜を見る会」。
 いまだに桜を論じる中日新聞の対応に「恐れのなさに恐れ入る」であった。

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