映画「フクシマ50」 〜9年前は騙されていた〜
映画「フクシマ50」を観た。観客の少なそうな時間帯を選んだので、本当に少なかった。
東電所員の決死の対応でギリギリ助かっただけで、あと一歩間違ったら日本は甚大な被害をもたらすところだった。
・・・この事実は、その後の報道で聞いて知っていたつもりだが、ここまでギリギリだとは思わなかった。
例えば「「炉心溶融」「メルトダウン」といった言葉を使わないように指示があったといった記事も目にしてはいた。
https://toyokeizai.net/articles/-/123129
震災直後の原発のニュースは注意深く見ていたつもりだ。
ベントが重要だと何度も強調していた。建屋が炎上するシーンも見た。近隣住民が避難するシーンも見た。
米軍が早々に家族をアメリカ本土に帰国させたという噂も聞いた。
しかし、自分に「正常化バイアス」があったのだろう。
これほど危機一髪であったという感覚はなかった。
映画を観ながら「作られたシーン」ではなく、実際の報道場面を見せてほしいと何度も思った。
今、新聞やテレビはウイルス感染拡大で過度に不安を煽っているが、当時の原発事故はどうだっただろうか。
自分は「いたずらに不安を煽っているな」と冷ややかに見ていた記憶がある。
実際に、数日後は安定したので、マスコミは大げさに報じただけだと思っていた。
しかし、メルトダウンの報道は決して大げさではなかった。
むしろマスコミも本当にあそこまで危機が迫っていたという自覚がなかったのではと、今は思う。
当時、相当な危機意識を持って原発現場のニュースを観ていた人も多いと思う。
しかし、自分は油断していたのだということが、今回の映画を観てよく分かった。
「相変わらずマスコミは大げさに危機を煽っているな」と決めつける自分にはエビデンスがあるのか、そこをきちんと見極めていかねばならない。
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