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April 11, 2020

「言いました」だらけの作文じゃつまらない

少し古い光村図書の「国語教育相談室(小学校)」98号に、達富洋治氏の面白い実践紹介があった。
https://www.mitsumuratosho.co.jp/material/pdf/kyokasho/s_kokugo/kohoshi_s_kokugo_all.pdf

「    。」と言いました。ばかりじゃつまんない ―「お手紙」(二年)―

セリフ中心のこの作品で「言いました」で終わりそうな箇所に、別の表現を入れてみようという試みだ。
語彙の少ない2年生には難しいかもしれないが、やってみる価値はある。

「がまくん」
①呼びました。 ②声をかけました。 ③近寄りました。

「ひょっとして・・」
①こっそり言いました 。
②思いなおすようにせつめいしました。
③かおをのぞきました。

「でもね」
①もういちど言いました。
②ちかくに言いました。
③あきらめません。
④がまくんが言うまえに言いました。

「きょうは・・」
①本当はしっているのに言いました。
②じしんをもってなだめました。
③いっきに言ってからがまくんを見ました。
などなど。

でも、この実践を知るだけではもったいなので、自分でモデル化する。

◆「言いました」を書き換えるというのは

A:どんなふうに「言いました」の、「どんな」を加えるタイプ
B:「言う」に近い動詞を使うタイプ
(説明する・叫ぶ・つぶやく・うったえる・どな る等)
C:「言う」の場面に応じた別の動詞を使うタイプ
(近寄る・あきらめない等)

という ABCのタイプがある。
これは「語彙」の訓練だけではなく、セリフを発する人物の心情理解につながる促す問題でもある。
月並みに言えば「どんな気持ちで言ったのですか」なのだが、それをひねった形で思考させている。

◆さらに、この実践の応用を考える。「言いました」以外の場面にも応用しないともったいない。
①「そして」以外の接続語を考えて作文を修正させる実践。
②「楽しかったです」以外の感想を考えて作文を修正させる実践
③「がんばります」 以外の決意の言葉を考えさせる実践
④「すごいです・上手です」以外の褒め言葉を考えさせる実践
などが考えられる。

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