「ワクワク感」のある授業
「らーめん才遊記」というテレビドラマがあって、時々観ている。
主人公の女の子は、味覚の才能があるが、ラーメンの味をうまく表現できず「ワクワクするかどうか」を、おいしいラーメンの判断基準にしている。
ウイキにある原作コミックの解説では、主人公の女の子を次のように記している。
※味覚も鋭いが、食したラーメンを「トボトボ」「ワクワク」と表現するなど言語化、客観化できていないことが多い。
芹沢からも「ワクワクとはなんだ?」という宿題を出され、なでしこラーメン選手権予選中に「料理はバランスだが、ラーメンはアンバランス」とその「ワクワク」の正体を自覚することになる。
6月1日放送のドラマでも「わくわく」を言語化できない未熟さを指摘されていた。
「すごくおいしいです。でも何だかワクワクしないんですよね」という彼女の批評は、印象批評にすぎない。
言われた方は反論も反省もしようがない。
自分の思いや自分の感覚を「言語化」する努力は必要だし、「言語化」はスキルでもあるから。ちゃんと育てないといけない。。
(2)「WOW Factor」
昨年10月のエネルギーシンポジウム。東京大学の飯本先生の特別講座の中に「企画実施の各々の立場でWOW Factor 導入の工夫を」とあった。
WOW つまり感動や驚きの要素を持ち込め、というのは、
◆理科は感動だ
◆面白くなければ授業じゃない
に通じるもので、とりわけエネルギーシンポの授業や小森先生の授業にはモノがあって、仕掛けがあって、感動があるので、まさにWOW factor導入そのものだと思った。
授業の中に、いくつWOWが入るかは、「どれだけ巻き込み感をつくれたか」の表れである。
◆WOW Factor 導入の工夫を
ということを、私自身いつも考えてきた。
「ワクワク感」と「WOW Factor」は、まずまず近いと理解できる。
(3)「楽しい」
向山先生は、学級経営で最も大切なことをたった1つあげるとしたら「楽しいことをすること」だと話されたというメモ書きがある。
「私の精神としては95パーセントと5パーセントです。
管理することが5パーセントで、楽しいことが95パーセントだと思います。」
◆何かをやっていて、うれしいとドーパミンが出る。
◆快感を生み出す行動が次第にクセになり、繰り返していくうちにその行動が上達していく。
楽しいことを続けていればどんどん上達する。これを「強化学習」と言う。
「ワクワク感」と「WOW Factor」と「楽しい」は、これもまずまず近いと理解できる。
(4)「熱中する」
畿央大学大学院の島恒夫教授は、中教審道徳専門部会の委員を務め、学習指導要領解説の作成協力者もされている方だ。
その島氏は「子どもにとっても教師にとっても楽しい道徳科とは?」について、講演会の中で次のように指摘していた。
◆子どもにとって、「納得」と「発見」のある授業。
◆子どもの頭がフル回転する授業
◆子ども1人1人の思いが自由に出て、認め合いのある授業
◆45分・50分があっという間に感じる授業
◆授業が終わってからも、教室のあちらこちらで、まだ話が続いたり、余韻に浸っている授業。
◆「先生、またしようよ」という声の出る授業。
チクセント・ミハイの「ゾーン」のようなイメージだろうか。
「熱中体験」が、島氏の説く「楽しい授業」なのだと受け止めた。
(5)「好き」
◆モチベーションを上げる鍵を握っているのが、感情脳にある1.5センチの扁桃核というところなんです。
この扁桃核をコントロールすることが重要で、ここが好き、嬉しいという快の感情を抱くと、脳幹からプラスのホルモンが分泌される。
反対に、嫌いとじゃ辛いとか不快な感情になれば、マイナスのホルモンが分泌されてしまう。それは嘘でもいいんです。
絶対にうまくいく、絶対によくなるって嘘でも思い込むと、肯定的な感情が生まれるんです。
「致知」2019年4月号 P25「天運を呼ぶ行き方」西田文郎の言葉より
(6)「笑顔」になる
◆笑顔を作ると「セレトニン、ドーパミン、エンドルフィンという3つの脳内物質が出ます。
これらの物質が出ると、ストレスホルモンが下がり、副交感神経が優位になります。つまり、笑顔には緊張を緩和して、ストレスを解消する作用があるのです。
「笑顔効果 ~笑顔を作ると10秒でハッピーになれる~」https://hiromi.fun/?p=2672
・・・(1)から(6)が同義語だとは言わないが、いずれも「つまらない授業」の対極にある語群だと思う。
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