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June 11, 2020

GRIT=「結果が出るまで努力を続ける」

たまたま「結果より過程を重視する教育」を主張する小論文を読み、いろいろ考えるところがあった。

「結果に一喜一憂しない」
「結果より過程」


という主張は、よく分かった。

ただし、「できるようになるまで粘り強くがんばる」「結果が出るまでがんばる」は、「結果より過程を重視する」とは合致しない。

結果が出るまであきらめない姿勢が「GRIT」であったことを思い出した。

◆「最初からうまくできなくても、何度も挑戦しなさい」 同書P101

・・なるほど。確かに、このアドバイスは、「結果より過程」とは意味違う。

併せて『マシュマロ・テスト』を読む。セリグマンの言葉だ。

◆「思うに任せぬ状態になったときにも、その人がやり続けられるかどうかなんです」P134


・・・これも、「結果が出るまで粘り強く取り組むこと」のメッセージだ。

併せて『「学力」の経済学』を読む。たくさんマークした。

◆「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねません。P46

◆「よく頑張ったわね」と努力した内容をほめられた子どもたちは、2回目、3回目のテストでも粘り強く、問題を解こうと挑戦を続けました。
努力をほめられた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)努力のが足りないせいだ」と考えたようです。

◆子どもをほめるときには、「あなたはやれなできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強したんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったよ」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子供に育つというのがこの研究から得られた知見です。P50..51


今回、たまたま検索でヒットしたのが、中室研究室の研究報告書。

努力を褒めるべきか、さらなる努力を促すべきか
-オンライン学習における声かけシステムの効果-
中室牧子研究室 山越梨沙子  2016/12/23
http://lab.iisec.ac.jp/~hiromatsu/2016-kaken/files/%E4%B8%AD%E5%AE%A4%E7%89%A7%E5%AD%90.pdf


これも、復習にはぴったりだった。

◆子どもたちのモチベーションを上げるためには、能力ではなく努力を褒めるべき。
 努力を褒められた子どもたちは、出来ないことを才能のせいにしない。

・能力を褒められた子どもたちは成績を落とし、努力を褒められた子どもたちは成績を伸ばした。
 ↓
・努力を褒められた子どもたちは難問に直面した際、「自分の努力が足りないせいだ」と捉え、我慢強く挑戦を続けた。


単に褒められるよりも適切なフィードバックを受ける方が良い
「もう少し努力すればより良い結果が得られる」と思えるかどうかが大事。

・難問に挑戦するかは過去の失敗経験ではなく「頑張ればできる」と思えるかで決まる。

・「あなたはもっと作文が上手くなれる」とアドバイスされると、より努力するようになる。


◆「もう少し努力すればより良い結果が得られる」=成長思考(Growth Mindset)・やりぬく力(GRIT)

・「努力次第で結果は変えられる」と考える
・困難な問題に直面しても諦めずに粘り強く取り組む
・子ども時代に親や先生から努力を褒められて育っている
・大人になっても伸ばせる


◆「改善点を伝え、さらに努力するよう促す」と学習成果が高まる

・GRITが低い子ども
 「自分には才能がないから努力しても意味がない」
 ↓
・さらに努力するように促され、「もっと頑張る必要がある」と思う
 ↓
・粘り強く勉強するようになる(=GRITが高まった)


◆子どものモチベーションを向上させるためにはさらなる努力を促す声かけがよい

例1 時間切れになったドリルがあったね。正確にそしてスピードも意識して解くことを心がけよう!
例2 勉強を始めて1時間が経ったよ。もう1時間集中して頑張ろう!


・・・「結果より過程が大事」という主張も悪くはないのだが、「すぐにあきらめない」「再挑戦する」「自分の失敗を見直す」の要素が捨て切れていないから、もやもや感があったのだ。

 久しぶりに「GRIT」を読み直して、とても勉強になった。

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