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June 24, 2020

「二元論」で思考する

 石原千秋氏の「秘伝中学入試国語読解法」(新潮選書)の中に、「二元論が支える世界」と言う項目がある。「二項対立」とも書いてある。p184〜189

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「内」と「外」のように反対の意味を言葉を組み合わせて何かを表現することを「二元論」と言う。「これは善くてあれは悪い」と言えば、それが二元論だ。「心は高級だが、肉体は低級である」と言えば、それも二元論だ。(中略)だから、意味の対立する言葉の組み合わせを多く覚えておくと、様々な物語や批評が理解しやすくなる。
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・・・というわけで、この後、二元論の主な組み合わせが示されている。「抽象思考」の入り口と言えるだろうか。

内/外、大人/子供、心/物 心/身体、精神/肉体、社会/個人、男/女、都市/自然、科学技術人口/自然、文化/自然、 文明/野蛮、光/ 闇、明/暗、善/悪、現実/夢 などなど

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僕たちはこういう二元論によって世界を分離している。たとえば、あいつは「明るい」が、こいつは「暗い」と考える時、僕たちは二元論によって友達を分類している。「科学」が「自然」を破壊していると感じる時、僕たちは二元論によって善悪を決めている。(中略)本当は僕たちはもうそろそろ二元論から自由になりたいのだが、残念ながら中学入試を解くときには二元論は絶対的な力を発揮する。
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・・・初めて読んだ時、ここまででも十分衝撃的であったが、さらに衝撃だったのが、この後、記述問題に「二元論」を生かす方法が述べられ、「大人の文章」と記していた点だ。


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では、大人の文章とはどういうものか。それが二元論なのである。たとえば自然が素晴らしいと言おうとする時、単に「自然がすばらしい」とだけ言わずに、「都会のビルの中の生活に比べて、自然は素晴らしい」と言うのだ。自然に都会と言う反対の概念をぶつけて、その素晴らしさを強調すること、これが大人の文章なのである。この時、「しかし」を使うと良い。具体的には、「都会の暮らしは非人間的だ。しかし、田舎の暮らしは人間的だ。」と言う文章になる。
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・・・この後、先のダイアリーでも少し触れた「確かに〜だ。だがしかし〜」の構造の文章の意味と意義が説明されている。

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 なぜ逆説の接続詞を使うのといいのか。

 第一の理由は「自然はすばらしい」と言う自分の考えの理由を説明することができるからだ。ただ「自然がすばらしい」と言っても、「それは好みの問題だ」と言うことになってしまうだろう。そこで、「自然」と反対の「都会」を持ってくることでなぜ自然がいいかを説明することになるのだ。
(中略)
第二の理由は、「僕は自然と反対の都会のこともわかっていますよ」と言うことを相手に知らせることができるからだ。相手(つまり入試問題を採点する人は、「この子は自分の意見とは反対の意見をちゃんとした上で、自分の意見を述べているのだな。」と思うわけだ。

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・・・黄色でマーカーした点を踏まえると、教採対策で、「二元論」が威力を発揮する理由がお分かりいただけると思う(ここまで示さないと、何を言っているのか理解できなかったと思うが)。

向山学級の評論文を読むと、なるほど、子供たちが二元論を意識して(つまり逆の意見を自分で想定して)論を組み立てていることがわかる。

典型的なのは「もしBなら◯○になるが、そうなっていないからAだ」という「背理法」の論述だ。

「大人の文章」(大学生レベルの論述)ができる向山学級の評論文指導もまた衝撃的であった。

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