光村の指導計画には次のように書いてある
◆いじめを許さない心
【友達だから】 B(10)友情,信頼 13 コスモスの花
◆いつもは目立たない北山が,花を上手に生けたことで友達から 称賛され,それを快く思わない「ぼく」の姿を通して,友達とは どんな存在なのかについて考えさせ,真の友情を育て互いを尊重し合うよい関係を築いてい こうとする判断力や心情を育てる。
★友達とは,どんな存在なのだろう。
1 友達とよりよい関係を築くにはどうすればよいか,「コスモスの花」と「泣き虫」を通して考えていくことを知る。
2 「コスモスの花」を読み,「ぼく」が北山に初めて抱いた 「北山なんて――。」という気持ちにはどんな思いがこもっているかを考える。
3 「ぼく」は,どうして「やめろよ――。」と言ったのかを考える。
4 友達とは,どんな存在なのかを話し合う。
5 「つなげよう」を読み,友情について描かれた本があることを知る。
6 P92「学びの記録」に記入する。
【道徳的価値の理解を基に多面的・多角的に考える】
「友達とはどのような存在か」について,さまざまな意見を 聞き,自分の見方を広げている。
【道徳的価値の理解を基に自己の生き方について考える】
友達とはどのような存在なのかについて自分なりの考えを もち,友達とよりよい関係を築いていきたいと考えている。
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/s_dotoku/keikaku/30d_nenkei6.pdf
◆これは「いじめ」を扱っているの?
◆「ぼく」は、最初、北山を批判していたのに、みんなが批判したら急に「やめろよ」って、どういうこと?
という疑問を感じる内容だった。
実習生の授業を見ながら、結局本時では何を教えればいいのか良く分からなかった。
少なくとも、実習生は、ごくありふれた「真の友達」を自由に言わせたかっただけだ。
しかし、この作品を、自分の体験(仮想体験)で置き換えてみたらストンと腑に落ちた。
もし、一緒に野球をしている親友がレギュラーになり、自分はなれなかったとき、素直に祝福できるか。
難しい。
だれにも、嫉妬とかやっかみの感情はある。
友達だけが称賛されているのを見て、心から祝福できるほどの度量が自分にはない。
本当の友情とは、「自分より優れた点のある相手を素直に受け入れること」だ。
「その子も良さを心から祝福できる、応援できる」そんな自分でありたいと今でも思う。
勝間和代の提唱した「三毒追放」を思い出す。
・妬まない・怒らない・愚痴らない
なるほど、たしかに誰の心にも「妬み」はある。
しかし、それを否定すると、妬みを抱いた自分が嫌になってしまう。
嫉妬した自分を責めるのは、酷だ。
「妬み」をゼロにしなくても、「称賛」する気持ちを表に出せばそれでいい。
「withコロナ」と同じ、「with 妬み」。三毒とも共存していけばいい。
元々、人間は弱い存在だ。思っていてもできないことが山ほどある。
教科書会社の本意ではないかもしれないが、この資料で友情を扱うなら、自分はそこに焦点を当てるだろうと思った。
「困っている時に助けてあげるのが真の友情」
というありきたりのメッセージを送る授業ではなく、
「相手の素晴らしさを心から応援できるのが真の友情」
を実感させる授業になるように仕込みたい。
それは多面的な価値を考えさせる授業ではないが、自分の持っていない価値観に触れる授業にはなると思う。
授業をやる以上は、明確な意図をもち、自分の願いをぶちけたい。
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