要約は総合的な表現活動である(3)
キーワードを選ぶ作業は難しいが、題名がそのままキーワード・キーフレーズになることが多いので、物語にしろ説明文にしろ、まずは題名に着目させる習慣をつけさせたい。
◆「ごんぎつね」
◆「アップとルーズで伝える」
◆「三つのお願い」
◆「初雪のふる日」
・・・主人公や題名を第1キーワードとしたら字数制限まで拡大させる。
要約なのに「字数を増やす」ことができる。
◆つぐないが通じず兵十に撃たれた「ごんぎつね」
◆「アップでルーズ」の違いを生かして効果的に伝える」
◆「三つのお願い」で一番大切なものは友達だと気づいたレナ
◆「初雪のふる日」に白うさぎにさらわれそうになった女の子
・・・第1キーワードに比べて、第2・第3キーワードは特定しにくい。
新聞では、見出しの横に小見出しがあって、記事本文の概要が分かるようになっている。
見出しが第1キーワード、小見出しが第2・第3キーワードだ。
題名をアレンジするという点で、かつて中学校の『故郷』の授業では、次のようにサブタイトルをつけさせたことがある。
◆「故郷~変わってしまったルントウの今と昔」
◆「故郷~変わり果てた人々と小さなのぞみ~」
・・・このダイアリーも「要約指導の第一歩 ~題名に注目する~」というようにサブタイトルをつけてみたので、第2キーワードが意識できる。
上記の4つの作品なら、例えば次のようになるだろうか。
◆「ごんぎつね」・・・ つぐないが通じず兵十に撃たれた狐の悲劇
◆「アップでルーズ」・・情報を効果的に伝える2つの方法
◆「三つのお願い」・・・一番大切なものは友達
◆「初雪のふる日」・・・白うさぎにさらわれそうになった女の子
・・・自分がこの作品をどう読んだか、一言でいうと何が書いてあると理解したかが、このサブタイトルに現れる。
おすすめの本の紹介のパンフなら、このようなサブタイトルをつける工夫もありだと思う。
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