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December 28, 2020

語彙力を鍛える(4)

これまで一度も目を通したことがなかった光村図書の指導書。


「小学校国語 語彙に着目した授業事業をつくる」(本校にあるのは平成27年度版)
 
語彙の習得過程について、次のようなステップを示している。
 
1、ある教材での「語」との出会い
2、語の様々な面の学習・・・・語構成、語源、新出語句や難語句の学習
3、「理解語彙」として学習・・教材本文に食した文脈的な意味
4、認識、想像、思考・・・・教材以外に広げた応用場面での学習
5、「表現語彙」として習得・・自分の表現のための語彙の活用
 
 理屈がややこしい中で、一番腑に落ちたのが、「外国人児童への語彙指導のアイディア」のページだ。
「語彙」の課題であると同時に「スキーマ」の課題なのかと思う。
 
◆異なった文化背景を持つ児童は、日本で暮らしてきた児童、教師が当然だと思い、気にも留めていないことがわからないことがある。これは、一つ一つの言葉の意味が理解できても、場面の状況が正しく把握できないことにつながる。
 
・・・とあるが、これは当然、日本の児童にもあり得ることだ。

小学生にとって、自分の周りとは違う環境を「異なった文化背景」と受け止めるのは当然のことなのである。小学生は日本人としてとらえるより、外国人として捉えた方が、指導のモレがない。 
指導のポイントの「言葉を言葉だけで説明しない」が重要な指摘だ。
 
◆児童がわからない言葉を、他の言葉に言い換えたり、優しい言葉で説明したりする事は有効だが、それだけにとどまらず、実物や写真を添えて説明することが大切になる。


 
「理解語彙」として学習や生活の中で定着させるための継続的な手立てについて、本文を自分なりに①②③で整理してみた。
 
①児童が新しい言葉に出会う場面で、実物や絵、図、映像があったり、体験ができたりすれば、理解における言語面での負担が減る。

②表現するときにも、具体物やジェスチャーなどの手段を利用できれば、児童の負担が軽減される。

③学んだ表現や学ぼうとする語彙などの言語材料を補助資料として提示しておき、児童が自らそれを利用して、理解したり表現したりすることができるように環境を整えれば、学習の助けになる。
 


◆日本語を母語としない児童は、単に日本語が理解できないだけではなく、日本で生活できた児童が当然のように接してきた言葉や物語、気候、行事、風物詩に触れていない可能性が高い。「読むこと」の学習、特に文学作品においては、言葉から場面を想像することや事物や天候等の描写の象徴性に気づくことを気づくことができないことで、学習に支障をきたすことが少なくない。だからといって、教師がつきっきりで言葉の説明をすることも現実的ではない。
そこで、作品中の言葉を取り上げた「絵言葉辞典」をあらかじめ作成しておくと、児童が授業中に参考にでき、また自宅学習でも活用でき有効である。

 
・・・ここも、もちろん日本の児童も起こりえる。
「絵言葉辞典」とは、教材に出てくる言葉で、児童の生活経験上ではあまりなじみのないものの名前や動き、様子を表す言葉を取り上げ、絵や写真、図表などを添えて説明するものである。
デジタル教科書には、よく参考となる写真や動画などがついている。無論、教科書の挿絵や写真なども子供たちの知らない言葉(概念)を補足する手立てになっている。

以前「スキーマ」に関わって、子どもの理解の補助資料を準備することを書いた。

「語彙」に関わる支援と重なっていることがよく分かる。

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