「機能的非識字」 日常会話はできても教科書が読めない問題
◆「機能的非識字」とは、ひらがなやカタカナなどの文字を読んだり書いたりはできるものの、書かれた内容の理解や活用ができない状態です。たとえば、日常生活の中で、このようなことが起こり得ます。
・家電の説明書を読んで、その通りに設置したり利用する
・災害情報を文字で理解し適切な行動をとる(これは重要ですね)
・薬の服用方法について書かれた説明文書を読み、正しく服用する
・法的な契約書等を理解し、適切な判断のもと契約を行う
・新聞に書かれている内容、掲載されている表やグラフが表している数値の意味を理解し、適切な情報を得る
など、日常生活に欠かすことのできない能力です。
(中略)
こうした子どもたちはFacebookやLineなど、日常会話の延長で発信される文字会話を読んだり書いたりすることはできますが、新聞や教科書などの文章を読み込んで情報を得たり、何を問われているかを判断して回答する、といったレベルの日本語力が不足しているのです。
日本の識字の課題は本当に「終わった」のだろうか?―あらためて考えたい機能的非識字のこと(田中宝紀) - Yahoo!ニュース
※(竹田注) この文章は原文通り引用したが、例示された行動ができないのが「機能的非識字」のはずです。
・・・恐ろしい話だ。「スキーマ(自分の内部情報や自分の保有する常識)」とは、また別個の課題なのだと思う。
だから、新井紀子氏の危機感に繋がる。
◆「高校卒業までに高校の教科書を読める人材を採用するのが組織にとって最大のリスクヘッジ」と強調するのは、国立情報学研究所教授の新井紀子さん。基礎読解力を測るテストを開発した。
文章が読めないと社内規則が形骸化する恐れも。「読み書きはできても新聞などの文章を読めない機能的非識字者がイタリアで3割に達するという報告もある」という。
東ロボくん・新井紀子教授が考える、人材採用時の最大のリスクヘッジ策とは
東ロボくん・新井紀子教授が考える、人材採用時の最大のリスクヘッジ策とは|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
・・・契約書が読めなければ、仕事にならないし、まんまと騙される。
新聞を読まない。読んでも自分の解釈ができない。
複数の情報から判断することができない。
新井紀子氏は、ある講演で「そういう人は、5000円の布団を500万で買わされます」と表現した。
意味が分からなくてもロボットが合格できる大学がある。偏差値が50を超えるそこそこの大学だ。
その大学に高校生たちが入れない。
国家的危機なのだという思いを共有しないといけない。
「教育」カテゴリの記事
- 最初は、びしっとやればいいのか?(2023.03.31)
- 子どもができることは、子どもに任せる。(2023.03.31)
- 「最初の三日間」の価値を意識する。(2023.03.31)
- 学級の最終日をイメージする。(2023.03.31)
- 我々の仕事は1年走り続けるマラソンランナー(2023.03.30)
Comments