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December 03, 2020

「主体的・対話的で深い学び」の理解を深める(今さらですが)。

コロナ禍の三密対策・授業時間の確保の観点から、教師主導の授業が優先され、話し合いや発展的な学習が十分行われていない現状を踏まえると、今一度、新学習指導要領の理念に立ち返り「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう意識を改革する必要がある。

ちなみに、「深い理解」のためには、「基礎的・基本的な知識・技能の習得」と「思考・判断・表現力」の双方のアプローチが必要である。
文科省の資料には次のようにある。

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「ゆとり」か「詰め込み」かではなく、基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成との両方が必要です。

【基礎的・基本的な知識・技能の習得の重視】
● 社会の変化や科学技術の進展等に伴い子どもたちに指導することが必要な知識・技能について、しっかりと教えます
● つまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習を行います

【思考力・判断力・表現力等の育成の重視】
● 各教科等の指導の中で、観察・実験やレポートの作成など、知識・技能を活用する学習活動を充実します
● 教科等を横断した課題解決的な学習や探究的な活動を充実します

それぞれの力をバランスよくのばしていくために、教科書等の授業時数を増加し、教育内容を改善します

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304378.htm
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なお、「主体的」「対話的」「深い」について、文科省初等中等教育局の白井俊氏は、次のように修飾語をつけている。

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①見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる 「主体的な学び」

②子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」

③習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」

「新しい学習指導要領を読み解くための視点」
http://www.saitama-city.ed.jp/04kanko/saitama/31/31/06-09.pdf
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③などは、ずいぶん長い修飾語だが、この修飾語を抜くと具体的でないので、共通理解が進まないだろう。


なお、同論文の中で白井氏は、丸投げの授業をしないようにと釘を刺している。

◆主体的な学びを重視するとしても、基礎的・基本的な知識や技能すら身についていないのであれば、十分な成果は出ないだろう

◆一部には、「アクティブ・ラーニング」なのだから、「教師が教えてはいけない」という議論も見られる。確かに「教師が教えてはいけない」場面もあるかもしれないが、「教師が教えなければならない」場面も当然あるだろう。「グループ学習が必要」な場面もあるだろうが、「グループ学習に適さない」場面もあるだろう。児童生徒の状況を的確に捉えた上で、授業全体をどのようにデザインしていくかを教師一人一人が考えなければならないのであり、まさに、教師が教育のプロフェッショナルとしての専門性を発揮すべき場面である。

 

繰り返すが、

◆「ゆとり」か「詰め込み」かではなく、基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成との両方が必要です。

というように、双方のバランスが大事だという立場である。
今回の学習指導要領は、極端に触れてきた従来の振り子を止めたのだから。

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