文章理解の三段階
手元に「総合教育後術」2020年3月号がある。特集は「『読解力』を育てる!」。
埼玉県戸田市教育長戸ケ崎勤氏のインタビュー記事の中で着目したのが、文章理解の三段階の解説だ(意図的に改行を加える)。
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「文章の理解について、3段階あると私は言っています。
まずは、アイ、シー(I see)の段階。これは『なるほど』くらいの理解でしかなく、一般的にはここで止まってしまっていて、意味の取り違いも起こりやすい。
次がアンダースタンド(understand)で、『本当の意味が分かる』。ここまでくると、意味の取り違いは起こりにくい。
最後がアプリシエイト(appreciate)で、『本質の意味まで深く分かる』段階になります。ここまでくれば、次へ転用していくことも可能になります。」
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・I see
・understand
・appreciate
と英語で説明されると、はぐらかされたような気にもなるのだが、理解のレベルを自分なりに設定することは大事なのだと思う。
LINEのようなSNSのコミュニケーションツールは、まさに「I see」レベルでとどまっているような気がする。
短い言葉のやりとりは「阿吽の呼吸」である分、誤解を招き、トラブルを引き起こす。
冗長でまわりくどい説明は要らないが、本質の意味を相互で共有するには、それなりのボリュームの言葉のやりとりは必要だと思う。
そのことは2年前にも書いた。ますます深刻化しているか。
LINEによって阻害される「文脈形成力」
愛知教育大学の丹藤博文氏は、スマートフォンの普及と「ライン」によるコミュニケーションについて、「想像力・識字能力」「文脈形成力」の問題があると指摘された・・・。
http://take-t.cocolog-nifty.com/kasugai/2019/08/post-b1a411.html
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