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October 29, 2021

人を動かす条件、最後は「情熱」

『横井軍平ゲーム館』~「世界の任天堂」を築いた発想力~

 

この本を読んで、人を動かすのは、最後は「情熱」だと納得した。
 
 任天堂の世界進出のきっかけになったのが、「ゲーム&ウオッチ」。

後のゲームボーイにつながる「ゲーム&ウオッチ』誕生のエピソードがすごい。

(1)横井氏は、新幹線の中で退屈しのぎにできるゲームを作りたいと思っていた。
(2)たまたま社長の外車の運転手を頼まれた(ほかに左ハンドルの車を運転できる人がいなかった)。
(3)車中でゲーム企画の話をした。
(4)その日の会合で、社長の隣にシャープの佐伯社長が座り、電卓サイズの液晶ゲームの話を伝えた。
(5)数日後、シャープ側から、ゲーム開発の打診があった。

 これが「ゲーム&ウオッチ」開発のスタートだと言う。何と偶然だらけであることか。

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◆私としては、あくまで開発課長なんだというプライドで、アイデアの一つとして話しただけなんですね。ですから、その後、何事もなかったら、私自身も半年もしたら忘れてしまっていたかもしれない。ですから、世の中はタイミングなんですね。たまたま社長が佐伯さんと隣り合わせじゃなかったら消えていたし、その日、運転手が風邪を引かなければ消えていた。P107
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 しかし、たまたまの繰り返しで世界的な大ヒットが生まれるのは、偶然を引き寄せるだけの必然があったのだと思う。

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◆当時、私は開発部長で、やっぱりプライドがあるでしょ。私は運転手なんかじゃないんだというね。で、社長を乗せているときに、何か仕事の話をしなければというわけで、新幹線の中で退屈しのぎの話をしたんですね。「小さな電卓のようなゲーム機を作ったら面白いと思うんですけど」と。ま、社長はフンフンと聞いていましたけど、さほど気にしている様子でもなかった。P106
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 偶然を引き寄せたのは、アリストテレスが人を説得するのに必要だと述べた3つの要素だ。

「エトス(信頼)」
「バトス(共感)」
「ロゴス(論理)」

 パトスは、パッションだから「熱意」と言い換えてもよい。

 横井氏はそれまでも数々のヒット商品を生み出していたから任天堂社長の「信頼」があり、ヒット商品に対する「ロジック」があった。
 それを「熱意」で語り、「共感」をもたらしたから、たまたま隣席のシャープの社長に話題を振ることになった。
 シャープの社長にとってみても、「信頼」できる任天堂社長が話す開発商品の説明には「ロジック」があり、語る言葉に「パッション」があったのだろう。

 さて、自分の言葉と行動に「エトス・パトス・ロゴス」の3要素はあるか。
 人は「ロゴス」だけでは動かない。最後の決め手は「パッション」だと言うが、自分の言葉にはパッションがあるか。
 「〇〇に取り組んでいます」だけでは、人に伝わらない。誰の心も揺さぶらない。
 熱のある文章、毒のある文章にもチャレンジしていこう。

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