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October 11, 2021

令和の三読法? 「構造読み」「精査・解釈」「考えの形成と共有」

「国語」の指導内容については「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」の3区分がある。

その「思考・判断・表現」の「読むこと」の内容(1)は、学習過程に沿って、次のように構成されている。

①構造と内容の把握
②精査・解釈
③考えの形成
④共有

 

文科省HPの学習指導要領では探しにくいので、こちらをご覧ください。

https://cosnavi.jp/js2017/201_kokugo/2-2-3-c.htm

 

①「構造と内容の把握」とは,叙述を基に,文章の構成や展開を捉えたり,内容を理解したりすることである。

②「精査・解釈」とは,文章の内容や形式に着目して読み,目的に応じて必要な情報を見付けることや,書かれていること,あるいは書かれていないことについて,具体的に想像することなどである。

③「考えの形成」とは,文章の構造と内容を捉え,精査・解釈することを通して理解したことに基づいて,自分の既有の知識や様々な体験と結び付けて感想をもったり考えをまとめたりしていくことである。

④「共有」とは,文章を読んで形成してきた自分の考えを表現し,互いの考えを認め合ったり,比較して違いに気付いたりすることを通して,自分の考えを広げていくことである。

 

・・・従来の読みの指導過程の多くは三読法であった。

 

石山修平の三読法・・・「通読」「精読」「味読(鑑賞)」
わが国の国語教育史の上で、解釈学を集大成したのは石山修平である。
石山はその著「教育的解釈学」(1935)の第三篇「解釈の方法」第二章「解釈の実践課程」において、読みの学習指導を、「通読段階の任務」「精読段階の任務」「味読(鑑賞)段階の任務」「批評段階の任務」として示した(後に「批評段階」は削除された)。
「国語教育指導用語辞典(第四版)」(教育出版)より

 

・・・三読法には、そのほかの流儀もあるが省略する。
あえて、1つ選ぶなら、次の「読み研」方式だ。

 

三読法(構造よみ,形象よみ,吟味よみ)

物語の新三読法では、「構造よみ―形象よみ―吟味よみ」という三つの段階で作品を深堀りして読み込んでいきます。
まず、「構造よみ」で作品の全体構造を読み解き、「形象よみ」では作品のレトリックに注目しながら形象を読み解きます。そして「吟味よみ」で、作品を主体的に評価していきます。

https://kokugonote.com/monogatari_shin3doku01/

 

・・・学習指導要領では、従来の「三読法」に対して、4つの学習過程が示されている。

しかし、内容的には、③④を合体して考えれば、従来の三読法と大差ない。

①構造と内容の把握
②精査・解釈
③考えの形成と共有

 

・・・今は「主題」という用語は使わないが、③は「主題読み」と同義だ。自分の考えの形成が、要するに自分にとっての「主題」にあたるからだ。


それにしても、①構造と内容の把握、②精査・解釈、③考えの形成、④共有の4つの学習過程は、どこから来たのだろう。
学習過程の解説は見つかるが、その元々の由来についての記述がなかなか見つからない。
しっかり調べてみたい。

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