『ごんぎつね』の構造は、「起承転結」ではなく「序破急」
◆ごんが撃たれて終わるから「転」で終わる作品。
◆ごんが撃たれて「転」、ごんがうなずいて青い煙の漂うラストの三行が「結」
なのかなと思いながらも、スッキリしなかった。
起承転結で説明しない方がいいかなとも思っていた。
三部構造といえば「序破急」がある。
歌舞伎などの構成に用いる用語で、
・出来事が起こるのが「序」
・事件が起こるのが「破」
・急転直下で結論が出るのが「急」
と理解していたが、最後の「急」は「結」に該当するのだと勝手に決めていた。
以下のサイトも参考になるが、そうと読める。「破」は「承転」、「急」は「結」と書いてある。
https://www.choeisha.com/column/column29.html
久しぶりに井関義久氏の「入門『分析批評』の授業」を見て驚いた。
◆クライマックスというのは、昔から物語の真ん中あたりにあったもののようですが、だんだん、近代といってもかなり前から、日本では後ろの方に後ろの方にときてしまいましてね。一番最後にそれを持ってくるような時代が、もうずっと続いています。日本では、後ろの方に持っていくというのが、かなり前からあって、室町時代からあるんですね。能にそういうのがあります。序・破・急といって1番最後にクライマックスの頂点を持ってきて、もうそれでおしまい、というわけです。216ページ
・・・そうか、ということは、「ごんぎつね」は、無理やり「起承転結」にあてはめなくても、「序破急」の三部構造で考えればすんなりいく。
むしろ、クライマックスで終わる典型的な「序破急」のパターンの作品なのだと言ってもよいわけだ。
ただ、自分には断定する権限もないので、ここは、そういう考え方もあるということにしておこう。
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