「風」に無自覚な教師が使う毒語
教師に限らず、親にとってもドキッとするのが川上康則氏の論稿(「実践障害児教育」R1.7月号)
教室に不穏な風を吹かせる毒語
(1)質問攻めの問い詰め
・何回言われたらわかるの?・どうしてそういうことするの?
・ねえ、何やってるの?・誰に向かってそんな口のきき方をするんだ?
(2)裏を読ませる言い方
・やる気がないんだったら、もうやらなくていいから(本当は「やりなさい」)
・勝手にすれば(本当は「勝手なことは許さない」)
・あなたの好きにすれば(本当は「言う事を聞きなさい」)
(3)脅しで動かそうとする
・早くやらないと、〇〇させないよ。・じゃあ、〇〇できなくなるけどいいね。
(4)虎の威を借りる言い方
・お母さんに言おうか。・お父さん呼ぶよ ・校長先生に叱ってもらおうか。
(5)下学年の子と比較する
・そんなこと1年生でもやりません。・そんな子は一年生からやり直してください。
(6)見捨てる
・じゃあ、もういいです。・さよなら、バイバーイ
川上氏はこう書いている。
◆自分自身が吹かせる「風」に無自覚な教師は、言葉の重みに気づけない。発する言葉の端々に「毒づいた言葉」を使いながら、子どもたちを知らず知らず苦しめていることがある。
教師のストレス発散(指導力不足へのいらだち)にしか思えない、子供への侮辱の言葉。
これも「アンガーマネジメント」と思って自重しないといけない。
子どもを傷つける「毒語」が止まらない教師は、侮辱や叱責によって子どもを抑え込んだ経験が「誤学習」になっていると自覚すべきだ。
※いけないと思いつつ、つい口にすることもある。そんな時は自分を責めず、指導がうまくいかなかった自分を許すことも大事だ。
川上先生の別の論稿のコピーがあるので、こちらも引用(「教育技術小1・2」2020・9月号)
(1)アタッチメント(愛着形成)のつまずきとして、心理的・身体的距離感の不適切さは二つに大別される。
①誰に対しても無警戒で馴れ馴れしく、過剰に身体接触を求めるタイプ
②誰に対しても警戒心を示し、他者との関わりを拒否するタイプ
(2)愛着形成のつまづきに由来して生じやすい行動や反応は三つに大別される。
①愛情欲求行動
・注目行動・アピール行動
・愛情試し行動
・愛情欲求エスカレート現象
②自己防衛
・否認(不適切な行動を認めない)
・他責(自分は悪くないと言い張る)
・被害的他責(〇〇のせいでこうなったと言う)
・解離(追い詰めると記憶が消滅する)
③自己評価の低さ
・自己否定(どうせできない・やっても無駄)
・自己高揚(他者を注意したり、自分の持ち物をあげようとしたりして「優位性」を保とうとする。理不尽な命令・言い分が通らないときの暴力など)
・・・次頁に「つまづきに対するダメなアプローチと望ましいアプローチ」もまとめてあるが、全文引用になるので、やめておきます。
「教育」カテゴリの記事
- 行動を価値づけする(2024.09.12)
- 人々が画一化しないために(2024.09.08)
- 「原爆裁判」については、ほとんど知りませんでした!(2024.09.06)
- パラリンピックの理念(2024.09.02)
- 先生が子離れしないと、子どもは自立できない。(2024.09.02)
Comments