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December 07, 2021

齋藤孝『子どもの学力は読解力で決まる』

(1) 要約はほとんど一緒になることに意味があると齋藤孝氏は述べる。

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 一つの話をみんなで読むとします。そして、みんなに話を要約してもらうとする。このとき、読解力のある人の要約はほとんど同じです。
 10人いても10人ともほぼ一致します。ところがこう言っちゃなんですけど、読解力のない人が読むと、10人いると10人の要約がバラバラになるんですね。
 それはおかしいでしょ。要約は、誰が読んでもだいたい同じでなくてはいけない。
 もしここが間違っていると、いくら名作を読んで、そこに書かれている内容を読み解けといっても無理です。だからまずは、誰もが共通理解として持てる客観的要約力を身
につけなくてはいけない。国語のテストなんかで問われているのはこれですね。もちろん、英語でも算数でも理科でも社会でも、問われているのは、「何が書かれているのか
」です。
     齋藤孝『子どもの学力は読解力で決まる』(朝日新聞出版)p39
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・・・学テの記述問題も、「要約」に近いので、誰がやっても同じになる。
 大学入試記述問題も、「要約」に近いので、誰がやっても同じになるはずなのに、読解力のない学生の反応を聞いてしまったので「採点にバラツキがある」といった批判が
生じ、いったん中止になってしまった。
「読解力のない人が読むと、10人いると10人の要約がバラバラになるんですね」という斎藤氏の指摘は重い。


(2)「要約」がすべてではないので、実は、要約後の次の部分の方が重要だ。

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これ(竹田注・要約)が大前提です。
そのうえで、この世を生き抜くためには、それだけで終わってはいけない。
要約力をふまえたうえでのプラスアルファ、「この話にはどんな意味があるのか」を読み解く力です。
 これはいはば、テストでいうと小論文です。
中略)
つまり人生で役立つ読解力と言うのは、客観的な理解と、ある種の主観的な読み込み、この二つを両輪のように回していくものなんです。
(中略)
名作で言えば、その文章で一番言いたいことは何かをさっさとつかまえて表現できる力とともに、それについて自分はどう思うかの、両方が言えること。
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 この箇所の見出しは「読解力は客観的要約力と主観的コメント力の両輪からできている」とある。要約ができたからと授業を終えていたら「片輪」どまりなのだ。

 これは、理解するだけでなく、理解した内容を自分はどう考えたか発信するまでが「PISA型読解力」であることと合致している。
 「この話の意味」「その文章で一番言いたいこと」は、まさに「主題」のことだ。
 学習指導要領から主題指導がなくなったというのは、一つの主題に収束しなくてもよいという意味であって、個々の感じ方・考え方を披露し合うことまで否定されているわ
けではない。
 「この話にはどんな意味があるか」「その文章で一番言いたいこと」という課題設定をためらってはいけない。

 

(3)「AB読書法」が紹介されている。

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とにかく、いろいろなことを比較して見るんです。登場人物の性格でもいいし、前後で話が変わったところでもいい、あるいは、人の気持ちがどういうふうに変わったかを比
較してもいいでしょう。こういう、 A と B という二つの物について比較をし、変化を見つけることがとても大事です。
A から B に変わったのであれば、Aのところに丸をつけ、 B のところにも丸をつけ、AからBへ→を伸ばす。そしてどう変わったのかを比較してみる。Aの状況と B の状況が
全く正反対になったのであれば A とB を←→で結んで比べて考えてみる。そしてここで、その変化が起こった箇所を探して、そこに電球マークなど、自分の好きなマークを
書き込んでおく。
(中略)この A と B の比較と変化でポイント、ポイントをおさえるのが読解力の基本です。
(中略)こうした AB 読書法が身につくと、本を読むときだけでなく、自分が文章を書くときにも使えますよ。つまり、これは考える方法でもあるんですね、 AB思考法とで
も言いますか。状況をA B にとりあえず分ける、A の中の小さな変化や、もしくはAとBの類似点にも気づく、というセンサーが磨かれていくわけです。
これが大人になった時非常に役立ちます。読解力は思考力でもあるんです。59~68ページ
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典型的なパターンは

◆主人公の最初と最後
◆登場人物AとB 
◆ストーリーの最初と最後:
◆場面Aと場面Bなど

変化や推移なら、A→B
違い(対比)なら、A←→B

ということになる。

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