子どもの誤答を考える。
1年生のクラスの算数の授業を見ていたら、「10が5つと、1が6つでいくつでしょう」で困っている子がいた。
「10円が5個あったら、いくらかな?」
「15円」
・・・そうか、そう考えるか。
「10円が1個で10円、2個で20円、3個で30円だぞ」という説明で押し切って「50」を引っ張り出す。
「同じように考えたら、1が6つあるんだから6だな」と言うと
「じゃあ、1はどこにいったの?」
と怪訝な顔をする。
・・そうか、そう考えるか。
「単位の1」という概念が希薄だから「1が6つ」という表記の意味が理解しきれていないのだ。
でも、これは数学的な思考の混乱ではなく、国語的な表記の混乱かもしれない。
A「1と6でいくつでしょう」・・・7
B「1が6こでいくつでしょう」・・6
「1が6こ」という表記を、数字と数字だと読み取っていると、「1はどこへいったの?」ということになる。
同様に「10が5個で15」という解答も
A「10と5でいくつでしょう」・・・15
B「10が5こでいくつでしょう」・・50
という国語的な表記の混乱なのかもしれないのだ。
子どもにとってABはよく似ているし、Aの足し算の表記に慣れているので、単位量を表すBで読み誤るのかもしれない。
「10が5こ、1が6こ」は数概念の基本だが、奥が深く、困っている子もいるのだということを教師が想定する必要がある。
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