教師は、仕事を楽しめているか?
「超AI時代の生存戦略」落合陽一(大和書房)の中に「ワークライフバランスの崩壊」に関する記述がある。
◆働く時間、休み時間という捉え方より、ストレスのかからないことのバランスの方が重要だ。(中略)
要するに1日中「仕事」や「アクテイビテイ」に従事していても、遊びの要素を取り入れてストレスコントロールがちゃんとできていれば、それでもいい。P33/34
1日中仕事をしても、楽しくてしかたない人がいる。
仕事が体をむしばむかどうかは労働時間の長さでは決まらない。
だから、落合陽一氏は、超過勤務は、時間超過ではなくストレス超過で判断すべきだと言う。
それを学校現場に置き換えてみると
◆先生たちは、日々の仕事を楽しめているか。
◆先生たちは、この仕事が好きなのだろうか
が気になってくる(子どもが好きかどうかも気になってくる)。
毎日暗い顔をした先生を見ていると、楽しんではいないなと思う。
◆事前準備をぬかりなく行い・・うまくいき・・・成功体験を味わえて気分が良い・・次もがんばろうと思う
という好循環に対して
◆準備不足で挑む・・撃沈する・・・失敗して落ち込む・・次への意欲がわかない
という悪循環がある。
「発達障害の二次障害」の次の特徴を読むと、うまくいかない教師も同じじゃないかと思ってしまう。
・低い自己評価(自分へのあきらめ)
・どうすればいいのか分からない困惑(困り感)
・自分の存在を否定する周囲への反発
・すべてに対するやる気の喪失
・怒りなどの情動抑制の不能
・自分を評価しない周囲への反発
・自分の将来への悲観(自暴自棄)
「事前準備さえぬかりなければ、必ずうまくいく」とは限らない。
しかし「うまくいく可能性(成功率)」は高くなる。
数回がんばったくらいで「成功」はしないかもしれないが、数を積めば「成長」はする。
「成功」にこだわると「失敗」が気になって一歩が踏み出せなくなる。
だから「成功」なんて、めざさなくていい。
「好き」で挑戦し、少しずつ「成長」していけばいい。
日々の授業、日々の学級経営を楽しんでくれればそれでいい。
オリンピックでも試合後のインタビューで「がんばりました」より「楽しみました」と答える選手が何人かいて印象に残っている。
行動そのものを楽しめていれば、結果がどうであろうと後悔はない。
ただし、「仕事を楽しむ」は、実は、最も難しい課題なのかもしれない。
※警告 ただし「楽しければ超過勤務でも苦にならないでしょ」という上司の押し付けは「やりがい搾取」であり、パワハラである。
◆やりがい搾取とは、労働者の「やりがい」を利用して、雇用主が従業員に不当な長時間労働・低賃金で業務を強いて、利益を搾取する行為です。
「やりがい搾取」は、東京大学大学院教育学研究科教授・社会学者である本田由紀氏が2007年前後に定義した労働搾取構造を意味します。
「ブラック企業」や「名ばかり管理職」などと同じく、労働者の権利を侵害するキーワードとして注目が集まり、官民共同での抜本的改革が求められています。
https://romsearch.officestation.jp/jinjiroumu/mentalhealth/5014
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