タブレットの付箋機能は授業改善の効果が高い
JEES 全国初等教育研究会が発行するフリーマガジン「wutan」2021年3学期号に、GIGAスクール構想に対する様々な提言がある。
主体的、対話的な学びに適した「付箋機能」についての解説は、とても分かりやすかった。
低学年は「画面を見る」
中学年は「入力する」
高学年は「見たり入力したりする」
という段階的な活用があり、その延長線上に「関係を考え、まとめる」という高度な活用があると説明している。
◆ジャムボードは 、クラウド 上で付箋を動かしたり 、 線や矢印を書き込んだりできます。先生が出した課題のキーワードが書かれた付箋をそれぞれの関係を伝えられるように位置を変えたり書き込んだりしてまとめていくのです。付箋に書かれたそれぞれのキーワードについて質問するのは、一問一答になるので覚えていれば答えられます。けれど、それらの関係を表すとなると、とても難しい。子供達はもう持てる知識を総動員して考えることになり一人ひとりが自分なりの考えを導き出します。
このような、習得した知識を活用して考える課題を、日本の子どもは苦手としています。社会に出れば絶対に必要な力ですし、できるようにならねばなりません。とはいえとても高度な活動ですから、今までのようなノートに書くやり方では多くの子どもが何をどう書けばいいか分からず途方にくれるでしょう。それをクラウド上で作業すれば、友達の考えをいつでも見て参考にできます。みんなに見られますから参考にはしますが、丸写しはしません。自分なりに工夫して違いを出そうとします。クラウドで共有できるからこそ、このような課題も、みんなができるようになっていくのです。P5
・・・クラウド上の付箋機能は、授業中、子供たちの頭上に浮かんでいる吹き出しを覗いてみるようなもので、挙手してない子も発表したがらない子の思いも瞬時に知ることができるのだから、授業の展開も大きく変わる。
サークルのオンライン例会。ある中学校では、生徒が教師の提示した課題に沿って付箋に書き込みをして、その画面を見せながら周りの子に説明していた。
主体的で、対話的で、深い学びを具現化していることがよく分かった。
付箋機能は、
①手軽に自分の意見を表出できる。
②手軽に他人の意見を確認できる。
③手軽に相互交流できる。
といった利点がある。
討論の前にノートにそのまま発言できる意見文を書かせたことがあるが、それをみんなに公開すると、他の子はその意見文に引っ張られてしまう。
しかし、付箋機能でキーワード、キーセンテンス程度を交流させれば、他人の意見に引っ張られることはなく、どの子もキーワードを使いながら、自分の言葉でうまく繋いでいける。
同じキーワードでも、組み合わせる際に、個々の判断が伴い、オリジナルな意見になる(しかも大きく外れない)。
キーワード・キーセンテンスをPCに入力し、それをつなげて発表する
というスタイルはデジタルとアナログの融合で、すごく効率が良い。
ところで、本校での過日の研究授業反省会でもジャムボードの付箋機能を使ったが、文末に自分の名前を入れた。
一方、例会で見せてもらった授業では、氏名は入れなかった。
誰が書いたかではなく、何が書いてあるかが大事にされている
これも、とても重要だと思う。
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