漢字の読み書きのつまずきについて
かつて、漢字の読み書きのつまずきについて(発見と対策)という1枚のレジメを配布した。
『実践障害児教育』2013年に連載された「読み書きのつまずき発見は支援のチャンス!」村井敏宏氏を参考にした。
1 漢字の難しさには、3点あります。
(1)習う文字が多いこと。
特に3・4年生は1年間で200文字を学習するので大変です。
(2)画数が多く、形が複雑な漢字があること。
小学校で20画の漢字もあるので大変です。
(3)複数の読み方の漢字があること。
読み方を文脈で判断する必要があるので大変です。
2 漢字の誤り=漢字の混同には3要素があります。
(1)同じ音の漢字(同音異字)と混同する子。
「意味」の習得が不十分な場合、
「黒板→国板」「多い→大い」のような間違いを起こします。
対策① 部首の意味や漢字の意味を意識させる。
対策② 低学年では、絵と漢字とを対応させる。
(2)似た意味の漢字と混同する子。
「音」の習得が不十分な場合、
「ふゆ→雪」「にく→牛」「先生→生先」のような間違いを起こします。
読みがなから漢字が思い出しにくい子や、漢字のまとめのテストで点がとれない子に多いです。
対策① 漢字の練習時には読みを唱えさせる。
対策② 文章中の漢字や熟語を読む練習をしっかりさせる。
対策③ 意味のつながりで漢字を覚えることは得意なので、漢字の「仲間集め」もよい。
(3)漢字の形を混同する子。
「形」の習得が不十分な場合で、次のような間違いのパターンがあります。
①形の似た漢字との誤り
・・教える→考える、親友→新友
②部分的な形の誤り
・・・線が1本足りない、点の数が多い、線が突き出ているなど
③全体的な誤り
・・・部首の一部が別の字、形が大きくゆがんでいるなど
④部首の配置の誤り
・・・へんとつくりが逆・部首に位置が違うなど
時間をかけて練習していてもなかなか漢字を覚えられない子の中には、練習しながら別のことを考えたり、偏だけを先に書いたりして、覚えるための練習になっていない場合が多いそうです。
対策① 漢字の部首やパーツを意識させると、一画ずつ覚えるよりもまとまりで覚えられるので効率的だそうです。
たとえば16画の「親」の字も、「立つ」「木」「見る」の3パーツで覚えれば習得しやすい。
部首やパーツの意味を意識すると、漢字を覚える手がかりも増えるので、漢字は丸暗記でなく、語源を意識させるとよい。
対策② 少ない練習回数でも、部首の意味を考え、部首の名前を唱え、漢字の読み方も言いながら練習すると漢字が覚えやすい。
対策③ 鉛筆でノートに書くのが遅い子は、失敗が苦にならない指書きを多くさせると、練習量が増えて、定着しやすい。
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