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May 11, 2022

「言葉ってスゴい!」

 先の投稿の印象的なフレーズが
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「計画する」「振り返る」のカギは言語化にあって、言葉にするという過程で大脳新皮質を刺激します。(和久田学先生の言葉)
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 「言語化」について、どこかに書いてあったはずと探してみた。
 「Science Windows」という雑誌の2008年4月号の一節だ。
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分かった!とは、 自分のことばで説明できて はじめて得られる感覚でしょう
◆小学生も科学者も不思議な現象や解けない問題を前にして「理解したい」 という気持ちは同じで、それは人間がもともと持っている言語能力を使って「きちんと説明しきってみたい」という気持ちでもあるのですね。本能的な欲求と言ってもいいでしょう。
 学校の先生の重要な役割のひとつは、「分かった!」という理解の感覚を 子どもたちに覚えさせることです。高度な思考や抽象的な考え方のヒントを子どもたちに与え、自ら言語能力を 使って考え、きちんと自分の言葉で説明できるまで理解して初めて、「分かった」と思えるようにする。その理解の基準(スタンダード)がしっかりとできないと、中途半端な理解なのに「分かった」と思ってしまうようになり、 知識が定着しなくなります。
 子どもたちに、理解したことを自分の言葉で説明できる喜びを伝えてほしいですね。それは、人間だけが持つ本能的な満足感でもあるのです
「脳科学者酒井邦嘉氏が語る  思考の基礎をつくる言葉」より
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科学雑誌なのに、特集テーマが「言葉ってスゴい!」
特集が組まれた2008年=平成20年には意味がある。
平成20年1月に出されたのが中教審答申。
そこで学習指導要領の改訂(つまり1つ前の学習指導要領の実施)に当たって充実すべき重要事項の第1として言語活動の充実が挙げられ、各教科等を貫く重要な改善の視点として示された。
生きる力をはぐくむことを目指し、基礎的・基本的な知識及び技能を習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養うための「言語活動の充実」。
この一丁目一番地の取り組みの流れは今も続いていると勝手に思っている。
ただ、当時のバイブルとも言えた文科省の『言語活動の充実に関する指導事例集』の冊子を読み直しても、「言語化」というワードは出てこなかった。
引用部の冒頭が「言語化」の重要性をよく示している。
まさに、思考の基礎をつくるのは、「言葉」なのだ。
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「計画する」「振り返る」のカギは言語化にあって、言葉にするという過程で大脳新皮質を刺激します。
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・・・「言語化」という用語が、もっとスタンダードになればいいのだが。

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