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August 17, 2022

「黄金の三日間」を支えるマイナスの三日間の戦略

「黄金の3日間」を成功させるには、その前の3日間、つまり、子どもの登校していないマイナスの3日間にやるべきことはたくさんある。

始業式を迎える前の毎日が勝負なのである。

まず、何をするだろう。

大きく分けて3つが想定できる。

 

A 担任する子どもの事実を知る

B 担任する学年の教育内容を知る

C 担当教室の現状を知る(環境整備をする)

Aを細分化する。

1・子どもの環境調査を知る(親子・兄弟関係)

2・子どもの学習成績を知る

3・子どもの生活や行動の様子を知る(リーダーや問題児童)

4・子どもの交友関係を知る

5・学級開き(三日間)の戦略を立てる

 

後になって「○○の弟だったのか」などと気が付くこともあるが、それでは、その子との出会いに失敗したと言わざるをえない。

始業式早々に電話連絡してお願いをする保護者もいる。

何を使って知るか。

環境調査票や指導要録や申し送り用紙、旧担任からの情報である。

ということで、時間があれば、書類やゴム印の差し替え作業を行っておいた方がいい。

学年主任が「後でいい」と言おうと「暇だからやっておきます」と済ませてしまえばいい。

 

★ 差し替え作業を繰り返していると、子どもの名前も覚えやすくなる。

★ 差し替えが早めに終われば、落ち着いて書類に目を通せる。

 

名簿も原簿からコピーしてもいいが、自分で打ち込んでいくとよく覚えられる。

最初は名簿順で座席を決めることが多い。

給食当番や清掃活動も名簿順のグループで決める事が多い。

しかし、成績や問題行動・交友関係によっては名簿順ではまずいこともある。

最初の座席やグループでトラブルが起きては1年間困ってしまう。

最低限「名簿順の座席で問題はないか」だけは確認しておきたい。

 

Bを細分化する。

1・教育課程や教科書を見る

2・教材の選別作業をする

3・その学年の「ヤマ」となる教材を知る(決める)

4・当該学年の前年度の学習内容を確認する

5・授業開きの各教科の内容を決める

 

 一括保管してある部屋からさっさと教科書や教育課程をもってきて、ざっと眺めてみると、当該学年の有名な単元などが把握できる。

「この学年なら、あの実践を追試してみたいな」というようなものも浮かんでくる。

あるいは、自分の手持ちの書籍で、当該学年に関する実践をざっと目を通しイメージを持つ。

この学年で、どんな子を育てたいかについてのイメージを持つ。

また、教材屋さんが持ってきた教材の山をざっと選別してみる。

決められた学年に合わせて、すぐに使いそうなプリント類を準備して印刷をする。

学習用のプリント・自己紹介カードや学級経営用のプリントも用意しておく。

 

Cを細分化する。

1・椅子・机・ロッカー・靴箱など、子ども個々の場所を確認する

   (場合によってはあらかじめ名前シールを貼る・座席を決める)

2・教卓・黒板・掲示板・背面黒板・カーテンなどを確認する

3・掃除道具・ICT機器・コンセント・延長コードなどを確認する

4・ガラスの破損、画鋲、フック、木片など危険箇所を確認する

5・教室保管のグッズ・掲示物を準備する

 

 どにかく担任が決まったら教室やくつ箱を自分の目で確かめる。

 1~4などは前年度の教室管理者の仕事であるが、文句を言っても仕方ないので黙ってやる。

前年度の教室管理者の私物等がある場合は、「よかったら、私が運びますよ」ぐらいのことを言ってでもできれば何とかしてもらう(ということは、自分の元の管理教室の後始末については文句のでないように万全を期しておくこと。好意で残しておいた便利グッズでも嫌がられることがあるので全面撤去しておくべきである)。

 何もない教室で、子どもが初めて教室に入って来る時に、どんな状態にしておくかを決める。

 

・黒板に何を書くか(メッセージ・座席の案内・先生が来るまでの指示等)。

・何を掲示しておくか(カレンダーや花など)。

 

 ざっと10個想起してみた。文房具は当然なので省略。

 

 

①自分の教室にはトイレットペーパーのホルダが取り付けてある。

②ゴミ箱にレジ袋をかけるのは面倒なので、レジ袋をひっっかける形の物を併用している。

③白いガムテープは、文字を書いてそのまま貼れるのでとても便利。1つあるといい。

④大きめの日めくりカレンダーが掛けてある。日直用。

⑤月ごとのカレンダーは、できれば次年度の3月まで最初から用意してあるといい。

⑥掲示用に、使用済みカレンダーの写真の部分が残してある。綺麗なポスターもキープしてある。

 背面黒板の上は授業中の自分の目の休め場所になるので、そこに貼るようにしていた。。

⑦後ろの連絡黒板には時間割用に白線が引いてあるが、消えかかっている時は黄色の細いビニルテープで罫線をつくってしまう。

⑧抽選用に抽選棒やトランプ。

⑨修理用にドライバー。

⑩給食当番の白衣をかけるヒートン(フック)が危ない場合は、プラスチック製の丸いフックにした。

※忘れ物の文房具はは貸せるように準備しておくのが前提である。

 

100円ショップは楽しい。安いので複数購入できる。

本立てとかクリアケースとかは複数揃えると、統一感があっていい。

休日に、100円ショップであれこれ眺めてみるのもお薦めである。

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