何もしなければ荒れていく〜「エントロピーの法則」〜
TOSS高段者の伴先生は次のように言います。
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そもそも学級というのは、何もしなければ荒れるようになっているのです。学級だけではありません。ありとあらゆる組織がそうです。
ですから、それに対応する対応策というものを持っていなければ、荒れて当たり前です。
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学校・学級は放置すれば必ず荒れていきます。
「なんとかなる」
「しばらく様子を見て」
という程度の意識では、荒れは確実に増大します。
だからこそ
◆「アドバルーンを叩け」
◆「荒れの始まりですばやく芽を摘んでしまえ」
という鉄則が有効になります。
ところで、荒れに素早く対処しなければと気負うあまり、人間関係も不十分な状態で厳しく叱って効果はあるでしょうか。
「何が悪いかを知らない」子どもの場合は「厳しく叱る」ではなく「教えてほめる」必要があります。
◆アリストテレスはこう言いました。
「人間はとても感情的な生き物である。人を説得しようとするとき、私がどんなに論理的でも、もし感情に訴えかけることができず、自分の味方についてくれるような感情を彼らにいだかせることができなければ、その説得内容が何であれ、すべては無駄」なのだと。(P36)
◆アリストテレスは (論理) (感情)(信頼)の3つのうち、信頼を最重要しています。
プレゼンの極意の本には、次のようにありました。
①聴衆は最初の2分であなたを判断します。
②プレゼンで信頼感を与える最良の方法は、聴衆を一番に考えることです。
③最終的にはあなた本人が聴衆に受け入れられ、信頼されるかどうかにかかっているのです。
アリストテレスの主張は「効果的に話す」「説得」「受け入れられる」
ための極意ですから、「注意する」「叱る」場合の極意でもあると考えられます。
◆注意が効果を上げるには、相手との信頼関係が大切です。
◆信頼を築く前に、厳しく対峙するのは高段の技であると思います。「うわべだけ高段者の先生のまねをすると火傷する」と言われる所以です。
もちろん、「最初にびしっと注意する」という行為が、「信頼」の第一歩ということも考えられます。
毅然とした態度を保ち、アドバルーンをたたくことで、本人も周囲の子も、
「今年の先生はちょっと違うな!」
「今年の先生、なかなかやるな!」
と思うからです。
やんちゃ君がやんちゃしないように先手をうつことも大切な戦略になると思います。
繰り返しますが、「最初から叩く」「ビシッとやる」がベストではありません。基本線は「できたら褒める・やろうとしていたら褒める」の即時的なフィードバックです。
ただし褒め言葉が安っぽいと「言葉のインフレ」を起こし、通用しなくなりますので、その点も注意が必要です。
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