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August 28, 2022

「話す」と「話し合う」を区別して指導できますか?

授業の中で「グループで話し合いましょう」と指示することが多いですが、グループ内で個々の意見を順番に発表しているだけでは「話し合い」とは言えません。

では「話す・聞く・伝える」と「話し合う・聴き合う・伝え合う」の違いを聞かれたら、どう答えればよいでしょうか?

◆話し合いは,「発表会」とは違う。順番に1人ずつ話すだけのワンウエイでなく、ツーウエイに意味がある。

◆話し合いは、聞き合いでもある。自分以外の子の意見に耳を傾け、比較検討することに意味がある。

◆話し合いは、伝え合いでもある。自分の意見にリアクションをもらうことに意味がある。

 

・・・自分の意見を言ったらそれで終わりではなく、ほかの子の意見をちゃんと聞くこと。

です。

もちろん、そのためには「正解が1つ」のような課題で話していては意味がありません。

正解が1つなら、利発な子が最初に発言したら、他の子の意見は必要ありません。

「ほかの子の意見も聞きたいな」という気持ちは、多様な考えを求める課題の際に意味を持ちます。

①「自分の意見は○○だけど、ほかの人はどう思っているのかな?」

②「同じ○○の意見の子はどうやって理由を言うのかな?」

③「自分の意見は○○だけど、△△の人の理由を聞いてみたいな。」

④「○○の意見の良さを、△△の子にも分かってもらいたいな。」

⑤「自分は○○だったけど、話を聞いていて△△もよくなってきたぞ」

⑥「△△の意見も多かったので意外だったな。」

といった思考を促すような、課題の提示が必要です。

多様な考えを引き出す授業は、「一人で勉強するより、みんなと勉強する方が楽しいな」という気もちに通じていきます。これが「協働的な学び」の第一歩です。

 

そして、教師は「今の意見の言い方よかったね」というようなフォローを入れて、どう言ったら自分の意見に興味を持ってくれるか、どう強調したら別の意見の子にも響くか、「相手」を意識してプレゼンテーションする意識を持たせます。分かりにくい意見では、誰もリアクション(評価)してくれませんよね。

 

授業中の子どもの発言は、ついつい先生に対してなされます。

ですから、「先生に言うのではなく、みんなに言うんですよ」と子どもに指導するのですが、実のところ、教師自身が子どもの意見を他の子に回さずに受け入れてしまうことが多いです。

授業に余裕がないと、TーC、T ーCの連続に終始してしまいます。

教師自身が子どもの意見に「入れ食い」にならず、「みんなどう思うか」を確認し、他の子の意見を聴きとる余裕がないと、T-Cの授業が改善されません。

 

※おまけ1

 家族は子どもが何も言わなくても察して動いてくれます。

先生も親と同じで、子供の発言が分かりづらくても理解しようと努め、他の子に翻訳して説明します。

しかし、子ども同士(他人)はそうはいきません。相手に伝わるように話すのが、本来の話し手側の責任です。

教師が安易に翻訳するだけでなく、

①本人にもう一度言わせる。

②他の子に、今の説明で分かったかを確認する。

③他の子に、説明させ直す。

などの場を設定するとよいです(繰り返しますが、授業に余裕がないとできません)。

 

※おまけ2

同学年集団で、「譲る・譲られる」が実現するには、相応のコミュニケーションが必要です。

わがままな子や甘えっ子は、言葉が足りないので、思い通りにならないとすぐ切れたり、押し黙ったりして泣いたりします。

そこで、教師や気の利いた子が、本人の意向を代弁したり翻訳したりし続けると、本人の伝えるスキルは伸びません。それは「誤学習」でもあります。

自分を表現できず、相手を説得できない子は、コミュニケーション力を向上させないといけません。

相手の言い分を聞かず、自分の思いだけを押し通そうとする子も、コミュニケーション力を向上させないといけません。

高学年なら、

「泣いてるだけじゃ分からないよ」

「自分で言わないと通じないよ」

「先生はパパやママじゃないから(スーパーマンはないから)、ちゃんと話してね」

など、突き放す場面も時には必要でしょう。

学級でのトラブルを回避するためにも、「自分の思いや理由を言葉で伝える・相手の思いや理由をしっかり聞き取る」を学校生活の中で育てていく必要があります。

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