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August 24, 2022

比喩の力がイメージを膨らませる

「小説の読み方」(PHP新書)平野啓一郎2009年第一版
「分析批評」の後方支援になる箇所もいくつかあるが、指示発問の原則に関わる部分があって着目した。
静かに歩かせたいときに「忍者のように歩きなさい」という指示が効果的だが、そうした比喩の効能を語る箇所だ。
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 比喩というのは、人間の脳の情報処理システムの錯誤をうまく利用した手法だろう。
 未知の情報と出会った時、私たちには、それを処理する下地がない。そこで、自分が既に知っている近似的な情報へと迂回して、いわば錯覚を利用して処理するというのが比喩だ。
 得体の知れない、白い丸いものについて語られたとしても、だれもそれをイメージできない。しかしそれが、「卵のようだった」と言われれば、既に知っている卵というものと疑似的に同一視しながら、その丸い物体をイメージし、情報として受け止める場所を自分の中に開くことができる。同一ではないけれども、近いイメージのものを持ってきて、未知のものを把握できるようにするための手段。それが比喩だ。
P89.90
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そうだね。
「忍者」が分からい相手には、「忍者のように歩きなさい」は意味をなさない。
相手の知らない言葉(概念)で、「〇〇のようだ」と言っても何も理解できない。
むろん、当たり前だが、まったく同じものでは「AのようなA]だから比喩でもなんでもなくなる。
「未知のAをイメージさせたいために、既知のBを提示する」
「AさせたいならB」
 Bが「既知」であり、「近似的」でないと比喩は機能しない。
小説の技法でなく、日常的な課題として捉えることができた。
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