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August 21, 2022

学級の自由度の高さが、討論の授業の大前提

向山洋一氏の論文「討論の授業の原則」(『現代教育科学』97年9月号)
討論のステップの前に、学級風土=「自由な空気」の形成に関わる記載がある。
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討論とは、自分の意見を主張することである。しかも、互いに意見の豊かな子どもが主張することになる。
どの子も、自分の主張を堂々と主張できなくては討論の授業は成り立たない。
子どもは間違うことを極度に恐れる。
技量の低い教師の教室では、異なる意見をそれぞれが堂々と主張することは、望めない。早々と、どれかになびいてしまう。
「千万人といえども我行かん」というような子どもの主張は、自由な空気の中でこそ、育まれる。
むろん、自由というのは、デタラメのガヤガヤ状態を言うのではない。
授業中、席を離れて友人と相談する。本を調べるのは自由だが、教室はきちんと秩序が保たれている状態をいう。
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・・「どの子も自由に発言する雰囲気」「どの子も堂々と自分の意見を主張する雰囲気」が大前提となって、堂々と主張する「強い個人」が育まれると言う。
これは、道徳の授業も同じだ。「謝罪を受け入れる学級の雰囲気がなかったら『すぐに謝ろう』という気持ちにはならない」。
「子供は間違うことを極度に恐れる」ことを、まずは肯定して策を立てているから、説得力がある。
「協働的な学び」の前提は、こうした学級の自由度の高さだ。
「自由な雰囲気」の中で、
「自己表出の場が保証され、
「個人の強さ」が育っていく。
ここに
◆多数決では決まらない、逆転現象の授業
◆正解が一つに収束しない、多様な解を引き出す授業
◆1人1芸で出し物をさせるような裏文化
などが入るのだと思う。
 もちろん、権威に屈しない教師の生きざま・常識にとらわれない柔軟な思考なども問われている。
 「討論」の条件(言語スキル)だけを追っていても、うまくいかない。
「授業づくり」と「学級づくり」がセットになっていることがよく分かる。

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