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September 16, 2022

「ごんぎつね」の主役は?

『ごんぎつね』の主役は「ごん」でなく「兵十」という考え方がある。

「いたずら好きのごんが、母を亡くした兵十に共感して、心優しいごんに成長する」という構図で考えるなら、主役は「ごん」だ。

クライマックスで考えや行動がガラッと変わる人物を「主役」とすると、

(1)銃で撃たれてしまう「ごん」

(2)自分の償いがようやく兵十に伝わった(願いが実現した)「ごん」

という解釈が可能だ。

ただし

(1)火縄銃をばたりと取り落とす「兵十」

(2)ラストで償いがごんの仕業だと知る「兵十」のショック

も印象深い。

「人物の成長」という構図を考えると「ごん」を主役にし、分かりやすい主役の例として「ごんぎつね」を扱いたいところだが、実際は、そうとも言えないのだ(だから面白い)。

『大造じいさんとガン』の場合は、原題が「残雪」だったということもあり、主役がどちらかは学者の間でも議論になっている。

クライマックスをはさんで、考えがガラッと変わったのが「大造じいさん」だ。

しかし、途中で現れて、最後に去っていく人物で、しかも元々は題名になっていたとなると、「残雪」は主役として十分な重みがある。

◆『くじらぐも』の「くじら」は、子どもたちを楽しませて、去っていく。

◆『かさじぞう』の「じぞうさま」は、じさまとばさまに施しをして、去っていく。

「くじらぐも」や「かさじぞう」の感情表現はほとんどなく、作品は「子どもたち」や「じさま、ばさま」を中心に進んでいく。

それでも、題名になるくらいだから、やはり主役は「くじらぐも」や「かさじぞう」なのか。

「主役に最も影響を与える「対役」が題名になることも多い」と言ってよいなら、「かさじぞう」「くじらぐも」を対役の典型と見なすことができるが、それを言い切る自信が自分にはない。

「正解を1つに特定する必要がない」

「各自が根拠を持って意見を表明できればそれでいい」

ということで、意見が割れることを楽しみにしてはいる。

しかし、主役と対役の定義がブレるのは困るのだ。

そう考えると、主役で迷わないのは「スイミー」、「モチモチの木の豆太」、「海の命の太一」かな。

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