「ごんぎつね」の構造 ~ラストまで読んだら振り出しに戻る~
・・・なるほど、全部を理解したわけではないが、「後ばなし」がない作品も、再読で「前話」に戻れば、作品がひとつにつながる。
最後まで読めば、こういう経緯があって、ごんの話は今なお語り継がれているのだよということが分かり、そのまま、もう一度「ごんの話」を読み返す。
後ばなしで後日譚を説明してしまうのは「野暮」と言えるだろうか。
だから、後ばなしを加えずに、前ばなしに戻らせる。
この構造は、「大造じいさんとガン」でも同じだ。(ただし前ばなしのないバージョンもある)。
大造じいさんが囲炉の前で語った武勇伝を「お聞きください」と始まるのだから
「いかがでしたか」と後ばなしを加えてもいいが、なくてもいい。ない方がいい。
「前ばなし」があって「後ばなし」がない作品は、「黙して語らず」の美学に支えられていると考えればいい。
まだまだ、資料分析は終わらない。
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