この夏、あるホテルに早めに到着した。
「荷物だけ預かっていただけますか」とお願いした。
まず、基本的な文法作法として、
丁寧語で聞かれたら丁寧語で返すことに問題はない。
「荷物は預けられますか」「はい預けられます」
しかし、謙譲語を使って、こうして問われると、当然「はい、預かっていただけます」とはならない。
ホテルは預かる側なので
「はい、預からせていただきます」
「はい、大丈夫でございます」
「はい、承知いたしました」
あたりが模範解答なのかと思っていた。
で、この日の実際の対応は
「はい、もちろんでございます」
・・・これは、文法上の正誤を超えた、大人の流儀だと思った。
「はい」という了承のメッセージに加えて、「大歓迎」「問題なし」であることを強くアピールし、依頼者側の心的負担を全く感じさせなくしている。
しかし、自分はといえば、
保護者対応や、地域対応で、依頼を受けて
「はい、もちろんでございます」を言ったことがないのはもちろんのこと
「はい、もちろんです」も、あまり使っていないと思う。
今になって、自分の態度が傲慢であったと反省したこの夏の一幕でした。
◆敬語なんてどうでもいいという時代が来るのかもしれないが、今のところ「たしなみ」として使えるようにしておきたい。
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