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September 09, 2022

「アプリシエーション」「最近接領域」・・・

手元に畿央大学の島恒生氏の講演メモがある(道徳)。

「アプリシエーション」「最近接領域」といったメモを見て、そうだったそうだったと思い出している。

自分の理解したままにメモを再構成してアウトプットしてみる。

したがって文責は竹田。※は、竹田の感想。

 

(1)従来は、マイナス志向の道徳だった。

これまでの道徳は「本学級の子どもは△△が欠けているから」という発想であった。

そして、主人公やストーリーのマイナス面(何が問題だったか・どうすればよかったのか)を考える授業展開であった。

しかし、これからは、「ない」ものを教えるのではなく、本来持っているものに気づかせる「プラス志向」の授業に取り組んでほしい。

子供たちが持っている能力や資質を引き出すことがeducate(教育)の本質。

「マイナス志向・・こうすべきである」の授業は、教え込みになりやすい。

「どうすべきだったか」と行動を問うても、分かりきった答えしか出ない。

どうすると良いかは、みんな分かっているから、「〇〇しなさい・〇〇しましょう」では道徳の授業にならない。

「〇〇すると、こんな気持ちになるね」が、道徳の授業。

 

(2)道徳の評価はアプリシエーション(appreciation=真価を認め、励ます評価)。

アプリシエーションでは、マイナスは指摘しない。子どもがいかに成長したかを積極的に受け止め、認め、励ますもので、評価する側も成長する。保育の現場ではすでに行われている。

※通知表の所見も、「アプリシエーション」ということだ。

 

(3)抽象的な議論では、道徳の授業にならない

道徳性は抽象的だが、観念レベルで話し合う授業では、道徳的には深まらない。

具体的な資料(状況)に即して考えさせるから議論が深まる。

また「たとえば・・」と具体的な事例で語らせるから、道徳的価値を意識できる(汎化できる)。

「見えないもの」を言語化させる1つのパターンが「主人公を変えたものは何か」

※「変えたものは何か」と問われれば、語彙の豊富な子が活躍する授業になるが、言葉の美しさに惑わされると、「きれいごと=抽象的な議論」になってしまうところは要注意だと思う。

 

(4)みんなの意見で解決する「議論する道徳」=最近接領域の考え方

中心発問に対して1人目で出る答えは決して中心ではない。

1人目の答えを踏み台にして、みんなの意見を高めていくことが「発達の最近接領域」の考え方。

「最近接領域」は、一人では分からないが、みんなで考えると分かるようなレベルのこと。

自分の考えと友達の考えは違うことが大前提。だからこそ「主体的な判断」と「自立」が求められる。

※逆に言うと、1人目で答えが出るようでは、思考させるレベルが低いということ。

 

(5) 状況の理解は短時間で行う。

資料の状況は「発問」しなくても、「確認」すればよい。

「状況」の把握は必要だが、決して授業のメインであってはならない。状況理解のレベルで授業をすると読解になってしまう。道徳的価値を話題にしないと意味がない。

 

※「分かっている」ようで「分かっていない」部分が多々あると思っている。「分かったつもり」が一番危険なのだ。

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