パラダイムシフト ~学習指導要領の理念の再確認~
◆注意してほしいのは、学習指導要領の考え方が、今までのそれとは大きく様変わりしている点です。
「今までの学習指導要領とは違うんだ」と、肝に銘じてください。
◆「能力観」が変わったことで、「授業観」の変化が要求されている。
この大変化を、先生方や教育委員会の方々は、理解しているでしょうか?
と堀田龍也先生は述べている。
ドキッとする。
もはや「新」をつけることもないほど定着したはずの「学習指導要領」。
本当は劇的で画期的な変化だったが、コロナ禍・全国一斉休校で「対話的な学び」「協働的な学び」はスタート直後に出鼻をくじかれた。
それでも、コロナ禍のおかげて、1人1台端末が前倒しで導入され、そこだけ学校現場は劇的に変わった。
学習指導要領の理念プラス1人1台端末導入によって、これまでの学校教育は激変した(はずだった)。
「はず」と書いたのは、人はすぐに慣れてしまうし、妥協点を探ってしまうからだ。
タブレット活用を一斉授業の中に採り入れて、そこそこ満足し始めている。
そこを糾弾するように、堀田龍也先生は述べているので、一部改変して示す。
(原文はマーカーだらけになってしまった)
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◆学習指導要領では「能力観」が大きく変わったため、 「授業観」も変えていく必要があります。
◆1年目が「慣れる」期間としたら、2年目はGIGAスクールの「本来の目的に迫る」フェーズに入ります。
「本来の目的」とは、学習指導要領が求める学習を実現し、資質・能力を育むことに他なりません。
◆基礎的・基本的な「知識・技能」の習得は、依然として重要です。
しかし習得して終わりではなく、その「知識・技能」を用いて「思考・判断・表現」する力や、「生涯にわたって学び続ける力」を育むことを、学習指導要領は強く求めています。
◆先生は「教え込む」役割から「子どもの学びを見守り、導く」役割へ
◆「個別最適な学び」が広がっていくと、従来の一斉指導、チョーク&トークで先生が教え込む授業では、対応できなくなります。
(中略)そうなると、先生の役割も変わります。教え込む役割から、子どもの学びを見守り、導いてあげる役割へシフトします。
「ティーチングからコーチングへ」と変わるのです。
◆先生が「今日はこの課題を勉強します」「さぁ話し合って」「じゃあ発表して」と逐一指示するのではなく、子ども一人ひとりが最善の学習活動を選択して、自分のペースで進めるようになります。
◆「端末やクラウドの効果的な活用方法を教えて」と、よく質問されます。
結論から言うと、今までの授業に端末やクラウドを当てはめようとしても、うまく行きません。
◆一斉授業の中で、先生が子どもに教え込む道具として端末やクラウドを使おうとしても、「これなら紙で十分。今まで通りでいいじゃないか」と感じるでしょう。
今までの授業は昔の「能力観」や「授業観」に基づいて作られ、「紙に最適化」されているので、そういう結論に至ってしまうのです。
◆今までの授業観や能力観に固執していたのでは、時代の変化に取り残されてしまいます。
チエルマガジン2022春夏号より。
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・・・これほどの危機感、パラダイムシフトの意識は各校現場で共有されているだろうか。
旧学習指導要領のときと、同じ教科内容(教材)の場合、これまでと同じ指導方法で授業展開していないだろうか。
たとえ端末活用をしていたとしても、授業に流れやめざすゴールが変わらないなら、それは新学習指導要領の理念に合致していないことになる。
新学習指導要領のはるか以前から、「コンテンツ(教科内容)ではなくコンピテンシー(学び方)」を意識して、主体的・対話的で深い学びを具現化してきた探求型の授業実践がある。
有田先生や向山先生の実践を探ると、新学習指導要領の理念を具現化するためのプランが見えてくる。
スーパーテイーチャーしかできなかった探求型の授業実践が、ICTを活用すれば多くの学級で可能になる。
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