「心の理論」と呼ばれる課題、
「心の理論」と呼ばれる課題、例えば「サリーとアン」の例は、特別支援教育を学ぶ際に、よく引用される。
ただし、「心の理論」に「一次・二次」があるとの指摘があって、自分がそこまでは詳しくないことが分かった。
一次の心の理論・・「Aさんは,○○と 考えているな。」がわかる
二次の心の理論・・「Aさんは,『B さんが○○と考えている。』と考えているな。」 がわかる。
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/research/result/siryou/hyoudai/tokubetusienn/pdf/tokushi193.pdf
この指導資料が分かりやすいので、何度か読んだ。
「赤ずきんちゃん」の場合
二次の心の理論は、「『オオカミがおばあさんになりすましている』ことを赤ずきんちゃんは知らない』という状況がわかる。
「ごんぎつね」の場合
二次の心の理論は、「『ゴンが自分のために償いの品物を届けている』ことを兵十は知らない」という状況ががわかる。
・・・読者である自分は知っていても、作品中の登場人物は知らないことがあるという状況の理解だ。
◆定型発達児の二次の心の理論は,学童期で ある6~9歳頃に獲得される。学童期において,二次の心の理論獲得は重要であり, 複雑な他者の心の状態を推測する力こそが, 社会的やり取りを育むものとなる。と書いてある。そして、そのような「心の理論」の課題を克服するために、次の方策が例示されている。
◆ また,言葉だけではなく,文字化(視覚化)することも有効である。例えば,そのときの場面に登場する人物を簡単な線画で 描き,吹き出しの中に,子供と一緒に話し言葉や心の状態を書いていくことにより,子供は会話の意味や相手の気持ちを改めて 整理することができる。
・・・人物のやりとりを矢印で示して言動を整理すると「心の理論」に関わる誤読が回避できると書いてある。
椿原先生の「図読法」の場合は、(おそらく)書かれていない心の状態までは明記しない。でも、言動のやりとりだけでも順を追って整理すれば、その場面の心の状態も想像しやすくなる。
まず「ゴン」がこうしたよね。そうしたら「兵十」はこうしたよね。
A君がこう言ったよね。そうしたらB君がこう言い返したよね。
・・・「図読法」が特別支援学級でうまくいく理由の1つがこれだ。
そして、「図読法」が、喧嘩の整理や道徳資料の内容整理に活用できる理由(の1つ)がこれだ。
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