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November 20, 2022

堀田龍也先生の提言 〜ICT活用授業の次のステージ〜

#ICT教育

10月末、愛知県春日井市で開催された全日本教育工学協議会(通称JAET)の全国大会。
研究紀要の中に、基調講演をされる堀田龍也先生の言葉がある。
情報端末を常時活用し、どのクラウドツールを用いて作業するかを自己決定し、可視化された友達の学習状況を必要に応じて適宜参照しつつ、自らの学習を進行する。学習過程における自分の現在地をメタ認知し、さらに必要な情報を収集したり、あるいは思考ツール等を用いて情報を整理したり、自分の学習の現状を発信して友達から意見をもらいやすくする。ここ春日井市の小・中学校では、子供たちのそのような学習の姿を見ることができる。

・・・ナンバリングしてみると、相当のレベルを求めていることが分かる。
①情報端末を常時活用する。
②どのクラウドツールを用いて作業するかを自己決定しする
③可視化された友達の学習状況を必要に応じて適宜参照しつつ、自らの学習を進行する。
④学習過程における自分の現在地をメタ認知する。
⑤さらに必要な情報を収集する。
⑥思考ツール等を用いて情報を整理する。
⑦自分の学習の現状を発信する
⑧友達から意見をもらう。
・・・「ここ春日井市の小・中学校では、子供たちのそのような学習の姿を見ることができる」
とあるが、一部の先進校以外では①以外に、いくつできているだろうか、と唖然としてしまった。
②で、クラウドツールを自己決定するとある。先生が指示したツールで作業させて満足してはいけない。
③で、可視化された友達の学習状況とある。黙々と各自のシートに書き込んでいては相互作用は生まれない。
④でメタ認知とある。ここがTOSSが今、最先端で進めているルーブリックと重なってくる。
今自分がどこまでできているかを自覚するから、次の⑤⑥⑦のようなステップに移行できる。
そして⑧。自己評価と教師の評価だけでなく、友達からの意見をもらう相互評価。それは、意見をあげる側の友達にとってもレベルアップの契機になる。異なる考えの組み合わせが化学反応を起こす。
当然だが、答え(考え方)が早々と一つに集約されるような課題では①から⑧は必要ない。
何を問うか、何を考えさせせるかの吟味がなければ、

タブレット端末で這い回る授業

になりかねない。
「学習の個性化」は、学び手の興味・関心等に合わせた学習活動を通して学ぶということであり、個性的な学び方が期待される。みんなと同じ方法ではなく、自分なりのやり方で学ぶからこそ、他者の学びの多様性に刺激を受けることとつながり、これが「協働的な学び」との接点となるということである。それぞれの子供たちの個性が際立つような、そしてそれらが可視化されるような学習環境が学校に求められる。
ともある。
先進校のICTの授業は、これらの多くを網羅している。
求められているのは

「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実

 シンポジウムでは「同時多発的な学習活動」というワードが飛び出して仰天してしまった。
 今なお、その衝撃の整理を続ける毎日である。
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