一人一台端末活用「そういうことか」(1)
10月末のJAET研究大会(春日井大会)の同封資料をいろいろ点検した。
教育新聞(10/17付)に赤堀侃司(あかほりかんじ)氏の文章があった。
以下の部分が腑に落ちた(便宜上、改行を増やしてある)。
==================
ある教師は、話し合いが苦手な子供が、話すのではなく、端末のアプリに書くことで、自分の意見を言いやすいことを発見した。
ある子供は、話す方が得意で、少しだけ書き込んで、話し合いの時間に、対面で活躍した。
この様子を見て、子供たちにとって、活動したり表現したりする選択肢が増えたのだ、と納得した。
子供の個性を浮かす、学習の個性化とは、この意味だったのかと思い、端末を用いて書くこと、対面で話すこと、をうまく組み合わせることができるようになった。つまり、学習の幅が広がった。
=================
・・・中学校で授業をしていた頃を思い出してみた。
中学生は、進んで挙手発表することが少ない(目立つことを恐れる子が多い)。
しかし、他人と通じたり、自分の意見を聞いてもらうことは「まんざら」でもない生徒が多い。
だから意見文を印刷配付すると、みんな熱心に読んでいた。
だから、他学級でこんな意見が出たんだよと配付すると、異空間で同じ内容を学んでいる同級生と張り合うこともあった。
これまで「堂々と挙手発言できる生徒」と「人前で発言はできないけど作文は書ける生徒」しか生かされてこなかった教室に
「1人では自信がないけれど相談しながらなら自分の意見をまとめられる生徒」が加わり、
しかも「対面型」「クラウド型」の2つのタイプがあって、
多様な生徒の存在が認められるようになったと言うことか。
赤堀氏の言う「学習の幅が広がった」とはそういう意味なのだと解釈した。
そして、先進校の生徒が探究学習に熱中するのも、そういうことなのかなと思った。
勤務校の子供(3年生)が、Jamboardに調べ学習の結果を書き込んでいた。
その後、全体発表になると、子供たちが一斉に「はいっ」と挙手し、指名された子供が順に発表していった。
みんな意見を言いたくて仕方ないのだ。そこが可愛い。
こういう口頭発表は大事だが、すべて「口頭」にする必要はない(全員の口頭発表は無駄も多い)。
クラウド上の発表を有効に活用すれば、密度の濃い発表タイムになる。
生徒からすれば、口頭発表でなくても自分の意見を見てくれる他者がいるというのは、学習の励みになる。
先進校のようにチャットでコメントしてもらえたら、とてもうれしいだろう。
全体の発表がなくても、いつでも他者参照できる状態 〜まさに常時繋がっている「オンライン」の状態〜がクラウド活用学習の特徴である。
そして、それは、従来の授業の概念が崩れるほどの大きな変化だと思う。
#ICT活用授業
Comments