「探究型の学習」の探究
学習指導要領の「総合」編によれば、
◆探究的学習とは、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」といった探求の過程(問題解決的な活動)が発展的に繰り返されていく一連の学習活動である。
ということになる(写真参照)。
細かいことだが、4つの項目を、文中では「問題解決的な活動」と呼び、図表の中では「探求の過程」と呼んでいる。
そして、この4項目を高橋純先生は「シンキングサイクル」と呼び、春日井市の先進校は「思考・判断・表現するための探究的な学習過程」と呼んでいる。
名称がバラつくと、少しずつ受け止め方のズレが出るので要注意だ。
あるサイトでは、次のように「教科学習」と「探究的な学習」を分けている。
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教科学習では、各教科の固有の知識や個別のスキルを学び、各教科の本質に根ざした問題解決能力や学び方、考え方などを育みます。
一方、探究学習では、教科にとらわれない、横断的、総合的な問題解決の能力を育みます。
探究学習は、小学校と中学校では「総合的な学習の時間」、高等学校では「総合的な探究の時間」を通じて学びます。
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◆この定義で言うと、各教科の授業を探究的な学習として行う必要はない。
◆これまでも社会科や理科の授業などで、探究的な学習は行われてきた。
とあるように、総合にとどまらず、各教科で探究的な学習を取り入れる意義は高いのだが、どのように取り入れたらいいのかを理解していないと、各教科固有の知識やスキルの習得を疎かにしてしまう。
教科学習で、各自に学習課題を設定させてうまくいくのは、学習レベルが保障された学級でのことだ。
どこで、どう探究的な学びを取り入れるかを熟慮しないと、授業は崩壊する。
「習得 → 活用」「教えて → 手放す」と同じような意味合いで、「教科学習 → 探究的な学習」のステップがあるのかな、というのが今の自分の理解である。
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