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January 26, 2023

子供は知らなくて当たり前

ニュースキャスターの古館さんは、かつて、インタビューの相手から「パワーポイント」という言葉が出たときに、「それは何のことですか?」と問い返しました。

そのシーンを見て私は「古館さんはパワーポイントも知らないのか」と呆れました。

その後、ずいぶん経ってから、その古館さんが次のような話をしていました。

 

インタビューの相手から知らない言葉が出てきた際に、自分で「それは、こういうことですね」と解説するのは傲慢。

それはどういう意味かと相手に問うて、相手に語らせることが大事。

自分の知識をひけらかすようなことはしてはいけない。

 

古館さんは、自分は知っていても、視聴者の中には知らない方もいるようなら、あえて相手に説明させるのだと知りました。

「知ったかぶり」の反対、「知らないふり」ですね。

視聴者が「知らない自分」に引け目を感じないように、古館さん自身も「知らない側」だというスタンスを取っているのです。

おそらく、かつての「パワーポイント」も古館さんは知っていたのだと思います。

 

自分が知っているからといって、みんなが知っているわけではありません。

かといって、みんなが知らないからといって、自分が解説すればいいわけではありません。

知っている子供に説明させれば、その子たちは「いい気持ち」になれます。

「教師が子供の手柄を奪ってはいけない」というのは、こういう意味です。

みんなが知らない事を説明するチャンスは子供に譲れば良いのです。

自分自身の使う言葉が、該当学年の子供に通じるのかどうかは、常に意識する必要があります。

先生が話す言葉の意味が分からないけれど質問できないという子はたくさんいます。

相手に合わせて言葉を選ぶのは当たり前。そこを配慮できないようでは、教師は務まりません。

子供は、塾で先回りしていない限り、授業で初めて習うのです。

「自分は分かっているから」という意識で授業をすると、分からない人・知らない人はついていけません。

「なんで、こんなこと分からないの」と怒ってみても何の意味もありません。

「知らない人にも分かってもらえる工夫」が、教師の仕事です。

 

尊敬するA先生の学級には外国籍の子が多く、「その説明では外国籍のうちのクラスの子供には通じない」という意識で対応を工夫し続けた結果、説明上手な先生になったそうです。

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January 25, 2023

できることを練習したがるのは、楽だから。

3年生の体育の授業を観察していて、物足りないなと思った。
縄跳びのチャレンジカードがあっても、なかなか難しい課題にチャレンジしない子がいる。1学期の鉄棒も同じだった。できる技ばかり繰り返している。
何かいいアドバイスはないかを探ったら、過去のこのブログからヒントが出てきた。
◆世界に通用する水準のパフォーマンスは、少しばかり手が届かないところにある目標に向けて、そのギャップの埋め方をはっきりと意識して努力することで得られる。
『非才!あなたの子どもを勝者にする成功の科学』(マシュー・サイド 柏書房)P92
・・・容易に実現しないレベルの高い目標をめざして励むことを「目的性訓練」と言う。
あまりに難しいチャレンジは無謀だが、できる技だけを繰り返しても成長はない。
とはいえ、高いレベルに自分を追い込めるのは一流選手。
小学生が「できる技の繰り返し」になるのは、ある意味で当然なのだろう。
◆「すでにうまくできることを練習したいと思うのは、たんなる人間の性だ。ものすごく楽だし、楽しいからね。」
という言葉も紹介されている。
ノエル・テイジ―教授は、三つの同心円を描いて解説している。内側の円が快適ゾーン、中間の円が学習ゾーン、外側の円がパニックゾーンだ。快適ゾーンの外で思い切ってやってみようとしなければ、何千時間かけたところで少しも上達しない。
・・・「快適ゾーン(コンフォートゾーン)」の別名は「ぬるま湯」。
快適ゾーンに浸かるのは、楽だし、楽しい。だから、結局「今できること」の繰り返しになってしまう。
◆(一流スポーツ分野の)すべての成功しているシステムには一つの共通点があることに気づかされる。目的性訓練の原理を制度化しているのだ。
最大の卓球王国である中国にはマルチボール・トレーニングがあるし、もっとも成功しているサッカー王国ブラジルにはフットサルがある。トップのバスケットボールチームは「エキストラ」を使う。P101
・・・一流スポーツ分野でなくても、小中学校の体育の授業レベルでも、ハンデをつけて、「目的性訓練」を行うことがある。
ドッチボールでボールの数を増やしたり、コートの大きさを変えたり、人数を変えたりする。
中学校の陸上部では、県大会レベルの女子を男子と一緒に走らせたことがある。
でも、振り返ってみると、強い子の中にはハンデ戦を嫌がる子がいた。
現状で「勝ち」が味わえるのに、負ける可能性が出てくるのだから、ハンデをつけられるのは面白くないだろう。
今は、ぬるま湯レベルの練習で安住したい子供たちの気持ちがよく分かる。
「できることをやる」のは人間の性分だから責めても仕方ない。
「困難に立ち向かっている」子のすごさを評価してあげることが大事だと思う。

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January 22, 2023

「試験合格」が学校のゴールではない!

北川景子主演の月9ドラマ「女神の教室」は、裁判官からロースクールに派遣された新米教員のお話。

第一話を少しだけ観たのですが、なるほどなと思いました。

裁判官としての現場感覚を伝えようとすると、司法試験合格最優先の学生たちは「そんな無駄な時間はない」と抗議します。司法試験に受からなければその先の心構えなど無意味だというわけです。

確かに学生の主張はごもっともです。まずは司法試験合格。でもお分かりのように目先の試験対策だけでは社会に出たら通用しません.

多分、ドラマではそういうかたくなな学生たちが心を開き、現場感覚を伝える先生の熱意に共感するのでしょう。
受験生にとってはまずは「試験合格」ですが、社会を知る・将来を見据えることの大切さを併せて教えていくのが学校の仕事だと思います。

https://www.fujitv.co.jp/themis/

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January 19, 2023

東京書籍の『教室の窓 低学年版 第7号』は、【学習評価特集】。

◆國學院大學教授の田村学先生にお答えいただいた「学習評価Q&A」ほか、生活科の学習評価に関する情報がコンパクトにまとまった、必携の資料です。

と紹介があります。確かにコンパクトで便利だ。生活科に限らず、思考の評価、パフォーマンス評価の参考にな記述が多いです。

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2022/2022105873.pdf

たとえば、次のようなQA

Q:どのように評価規準を作成すればよいのですか。(評価規準設定の方法)

A:学習指導要領と学習活動と評価規準の三者を互いに照らし合わせながら作成していきます。
その際、評価規準は、「〇〇〇しながら、△△△している」のフォーマットを意識し、△△△には行為する子供の姿、〇〇〇にはそこで発揮されている資質 ・ 能力を意識して言語化していきます。

・・・・この〇〇〇の部分は、「見つけながら」「比べながら」「工夫しながら」のような学習活動が入るとP5に書いてある。

P5の「評価規準が具体化されていると、見取りやすいだけでなく、学びの道筋や授業イメージが見えてくるんだね」も深い。
要するに「指導と評価の一体化」だ。

P6の
①目標となる目指す子供の姿を考える
②評価規準と評価場面を考える
③目標を達成するための授業の手立てを考える

という逆思考も、とても大切で、それがP7の

◆「交流する場面では、〇〇に着目した発言が出るようにしたい。」や、「振り返りでは、このような言葉が書かれるようにしたい。」など、子供のどのような行動、発言、記述、作品が見られるとよいか、教師自身が事前に言語化しておくことが大切です。
そうすることで、目標とする姿へ到達するための授業の手立ても明らかになってくるでしょう。

という評価のポイントにも表れています。

ほかにもQAとして

Q:A評価とB評価の線引きは、どのように考えればよいのですか。

A:AとBの見極めは、以下が参考になります。
「知識・技能」:概念化して気付きの質が高まっているか
         身体化して確実になっているか
「思考・判断・表現」:活用できるようになっているか
「主体的に学習に取り組む態度」:安定した状態になっているか

 

Q:気付きの質が高まったといえるのはどんな変化が見られたときですか。
A:気付きの質的な高まりは「無自覚から自覚」「個別から関連」「対象から自分」などが考えられます。
そうした質的な変化を意識した「知識 ・ 技能」に関する評価規準を設定することが、気付きの質を確かに判断することにつながります。


などがあります。
 別の文献でも出てくるキーワードもたくさんあるので、再確認する上でも役に立つ。

立ちます。

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January 10, 2023

1月10日は〇〇の日。〜自分のプチ探究〜

給食時のお昼の放送で,今日はイギリスで世界初の地下鉄が通った日だとの話があった。

詳しく聞き取れなかったので、「いつの頃かな?明治維新前だろうな」と予想してスマホで調べたら1863年だった。

幕末で,日本から選ばれた者が海外渡航してカルチャーショックを受けた頃だ。

日本では人力車ができたのが明治3年と言われている。馬車が広く使われたのが1869年東京横浜間の乗客輸送だ。

日本での本格的な地下鉄は東京地下鉄浅草上野間の2.2kmが1927年だ。

幕末から明治初頭でヨーロッパ視察をした日本人は地下を走る蒸気機関車を見たショックは、それはすごかっただろうね。

薩摩藩の五代友厚もその中の一人。

慶応元年(1865年)、森有礼らととともに薩摩藩遣英使節団として英国に出発し、さらに欧州各地を巡歴した。

時期を比べると、地下鉄を見ているかもしれない。

 

『大阪をつくった男』(文藝春秋)を読んでいたことが、こうして繋がっていく。

イギリス ロンドン|世界の地下鉄|日本地下鉄協会

 

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January 07, 2023

コース選択は「自己調整能力」

 「個別最適な学びの授業(個々の興味と進度にあった複線型の授業)」を行う上で必要なのが、「自己調整」の能力。
 自分で1人でやるか、グループでやるか、先生に教えてもらいながらやるか、「自分の現在地」が分からないと、授業時間が有効に活用できません。

 この「自己調整能力」について調べていて、真っ先に浮かんだのが、2問でも5問でも10問でも満点は一緒という「赤ねこ計算スキル」のコース選択のシステムです。
 光村教育図書のサイトには、以下のように教師のアドバイスが書いてあります。

かけっこだって、水泳だって、はやい人もいれば、遅い人もいます。
でも、はやい人がすぐれているということはありません。
きちんとできればいいのです。
※あかねこ漢字スキル・あかねこ計算スキル ユースウエア動画公開&パンフレットダウンロード開始
https://edusup.jp/navi/20150408


・・・こんなシステムを使った計算ドリル(スキル)は他にありません。

◆「10問できるのに2問コースを選ぶなんて・・」と思う教師がいて、
◆クラスの中に「あいつ、2問コースなんだ」とバカにする子がいて、
◆「2問コースにしたいけど、恥ずかしい」と萎縮する子がいたら、
この選択システムは成り立ちません。

 そのような学級では、ICTを活用した複線型の授業を設定しても、先生コースや協働コースを選べません。同調圧力に屈してしまうからです。

 自分の選択コースに胸を張り、他人の選択コースを気にしない学級を作らないと、複線型授業の良さが生きません。
 強い個人を育てる学級経営・生徒指導・教師の語り・教師の支援がいかに重要かが分かります。

 

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January 06, 2023

自己調整能力を育む指導方針の転換

 箱根駅伝で優勝した駒澤大学の大八木監督の言葉。
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駒大を支えたのは、大八木監督と選手のコミュニケーションだった。時代に合わせた指導法が、集大成の大一番で成果を証明した。
(中略)教え子である藤田ヘッドコーチは「昔は監督がこうといったら、こう。私から何か意見を発することはなかった。言われた通りにやれば強くなると信頼して練習に取り組んできた」と振り返る。
 熱血指導で大学駅伝を引っ張ってきたが、方針を変えたのは「6年くらい前」。大八木監督は選手たちを「子どもたち」と呼び、積極的にコミュニケーションを取ることを心がけた。「今までは一方通行だった。話しやすいように親子の感覚も必要かな」練習内容も数種類用意して選手たちに選択させる。「私だけで決めるのではなくて、選手にも考えさせながら実行する。疑問を持たせることの大切さをテーマにしてやっている。
 対話を重ね、選手たちが成長し、監督への信頼も生まれる。エース田沢が 「各学年にエースができた」と言うほどに選手層の厚いチームをつくりあげた。
 中日新聞1/4付
==========
・・・「教える(黙って言われたことをやれ)」から「選択させる・任せる・考えさせる・疑問を持たせる」への移行。
 そのための「対話」「コミュニケーション」「相手を尊重する意識」
 まさに自己調整能力を育む方向での指導転換だ。
 青山学院の原監督も同じようなことを言っていた。
===============
 「今回も、私がもっとああせい、こうせいと言ってリーダーシップを発揮すれば結果は違っていたかもしれない。でも、そういう人間を育てるために陸上を指導してるわけじゃないから。自分で考え、自分でプレッシャーをハンドリングできる人材になって欲しいということなんだけど…
=================
・・・時代の問題ではないと思うが,監督が全てのメニューを決めて、しゃにむにやらせるだけでは選手は育たない。
 過去にも原監督は練習の相談に来た学生に「お前はどう思うのか」を問うたと聞いたことがある。
 こうした指導方針の転換が、教育現場でも求められている。
 「教える」から「学びとる」への教師の「パラダイムシフト」。そのヒントの1つになるエピソードだ。

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January 04, 2023

「知識の理解の質」の向上 〜頭を素通りさせない手立て〜

高橋純氏は、『学び続ける力と問題解決』(東洋館出版)で次のように述べている。
◆端末でも図書でも事実的な知識、つまりノードが提供されるに過ぎない。これらのネットワーク化を行い、単なる事実を自分なりの考えや概念などに抽象化していく作業が求められる。その際に必要なのは、先に述べた見方・考え方のような認知的な活動であるし、話し合ったり、まとめたり、伝えたり、体験・見学、実習・演習といった活動でもある。つまり主体的・対話的で深い学びやアクティブ・ラーニングと言われるものが重要なのである。P62
・・・うーん。初任者にこの文章で理解してもらえるか自信がないので、もう少し簡略にしてみた。
◇新出事項を機械的にインプットするのではなく、話し合ったり、まとめたり、伝えたり、体験や実習などを取り入れたりして既習事項や生活体験と関連づけると、漠然としていた情報が強固になる。さまざまな情報が頭に中で整理されると「無意識にできる」「自ら行動できる」ほどに熟達する。
・・・高橋氏は、次のように書いている。
◆いかに頭を素通りさせないか、いかに良質な情報で頭をフル回転させるか。p61
◆ 端末で学べば学ぶほど、こうした活動を意図的に行っていかないと、わかったつもり、知ったつもりを呼ぶことになるであろう。p62
・・・「受動的学習」より「能動的学習」の方が成果が上がるという指摘と重なる。
「受動的学習
・講義・読書・視聴覚・デモンストレーション
「能動的学習」
・グループ討論・自ら体験する・他の人に教える
◆「頭を素通りさせない」
◆「わかったつもり・知ったつもりにならない」
◆「主体的に関わらせて印象付ける」
ために「アクティブ・ラーニング」=「主体的で対話的な学習」が大切だとよく分かる。

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January 03, 2023

ルーブリックの導入で授業が変わる!

約40年前、愛知せんの会が「分析批評」に注目したのは、分析批評という手法を習得させれば物語の「自力読み・ひとり読み」が可能になるからだ。
教師が教えるのは、独り立ちできる子を育てるため。
いずれ手放すことを前提に、それまでに必要なスキルを教え子に伝達し、習得させていくのが教師の役割というスタンスだ。
だから、「子どもが学びとる授業」という教育方針は決して目新しいものではない。
独り立ちを目指す「一人読み、自学」の取り組みは昭和からあった。
その昭和の自力読みと、令和の教育で明らかに異なるのは、ルーブリックの提示だ。
今は、ルーブリックという形で、授業の前に教師が子供に評定基準を提示する。
○○ができたらSですよ。
○○ができたらAですよ。
と本時で教師が求める読み取りのレベルを規定し、明示する。
差異を設定するのも大変だが、規定した通りに差異を評価するのも大変だ。
でも、こうして事前に明示し、事後に評価するから、子供も何ができればをよいのか、どこを目指せばよいかが自覚できる。
言語化できない評価項目では、結局、採点者の恣意的な判断が入る。
◆どうして彼の読み取りはSなのか、どうして彼女の読み取りはAなのか、
・教師が説明できる。
・子どもが納得する。
・教師と子どもの評価にずれが生じない。
そのようなルーブリックの作成は、大変かもしれないが、
「ルーブリックで明示できないことは評価しない」と決めれば、教師も子供もラクになる。
※写真は授業モデルとつとなっている春日井市藤山台小学校の久川学級の「山場の検討」。
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一斉指導なのに個別指導

JEES教育セミナーのアーカイブ動画で、札幌市立稲穂小の菅野校長先生の話を視聴した。
印象的なスライドがあと1枚あった。
一斉指導では全員に大型スクリーンを見せることがあるが、子供は見えにくさもあってなかなか画面に集中しない。
この時,各自の端末で見せながら説明した方が良いとの指摘があり、その際のスライドに,
手元で見る+先生の指導(ライブ感)
一斉指導なのに個別指導に近い状態
とあった。
そして,「ライブ感」の中身として次の6点を挙げていた。
◆表情  ◆声(声量,トーン)  ◆目線  ◆リズムテンポ  ◆対応,応答  ◆作業指示
 
どこかで見たようなワードが並んでいる。
つまりTOSS授業技量検定のD表の指標は、
◆一斉指導の中で
・子供たちを集中させる
・子供たちの参加度を高める
・子供たちを置き去りにしない
・子供たちをお客様にしない
という統率効果があり、それが同時に個別指導にもなっている。
いや、逆か。
細やかな個別対応の連続が集団全体の統率につながっている。
「集団の統率」と「個別の即時対応」の双方向が「ライブ感」か。
 
「ライブ感」
11月に名古屋ドームの観客を一体化させた桑田佳祐のことを思い出して考えてみた。
その場の空気感、空間支配能力、即時対応能力、その場の仕切り、盛り上げ感、あおり感・・・
授業に即して端的に言えば,「ボーッとさせない、飽きさせない」ということだろうか。
・やらないとバレる
・絶えず見られている
・チェックされている
という緊張感(圧)を与えているからだ。
 
ただし,
・困っていると助けてくれる
・SOSにもすぐ気づいてくれる
・退屈させない、夢中にさせてくれる
という安心感も与えている。
 
「見張る」と「見守る」は裏表だから、集団相手の授業を実現させるのに
◆サボっている子への圧と詰め・・緊張させる
◆困っている子へのケア・・・・・安心させる
の両方がなければ,そりゃあうまくいきませんよということだ。
そもそも「サボっている子」は「飽きている子」でもある。退屈させた教師の問題だ。
 
◆サボっている子、困っている子を出さない「未然防止」
◆サボっている子、困っている子に即座に対応する「初期対応と二次被害の回避」
 
・・・管理職試験で勉強したなぁ
前者は「リスクマネジメント」
後者は「クライスマネジメント」。
ライブ感はマネジメント能力であり、空間支配能力。
「子ども主体」の複線型の授業は高難度度の授業だから、一斉授業がまともにできない教師にできるはずがないのだ。

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「子どもが学びとる授業」への転換

JEES教育セミナーのアーカイブ動画で、札幌市立稲穂小学校の菅野校長先生の話を視聴した。
印象的な箇所を自分の責任でまとめると、
◆「教師が教える授業 〜教えてもらってわかる〜」から「子どもが学びとる授業 〜子どもが自ら学ぶ、自分で問題を解決できる〜」
への転換のために、5つのステップがある。
①学習ルール、生活ルールを身につける
②基礎基本の知識・技能・学び方の習得
 課題解決のために学びの「型」を身につける
③先生に分かりやすく教えてもらって学ぶ
④友達と一緒に考えて学ぶ
 少人数で共有して考えることで、【教師→子ども】の授業から少しずつ離れる
⑤自分で学び続ける
・・・注目したのは①②③までは「教師が教える授業」であること。
この①②③があって初めて「子どもが学びとる授業」が成り立つ。
この「手放すタイミング」を間違えると、明治図書が特集を組んだように「子供主体の授業がうまくいかない」という事態が起こる。あるいは「這い回る授業」になる。
昭和59年頃、愛知せんの会が「分析批評」に注目したのは、分析批評という手法を習得させたら、自分の学級でも向山学級のように「自力読み」が可能になったという事実があったからだ。
昭和から「自力読みできる子、一人読みできる子の育成」という主張はあったから、「自分で学び続ける子」という理想は、令和になって突然現れたわけではない。
これまでうまくいかずに「這い回る実践」が多かったのだが、だからといって、もう一度教師主導に振り子は戻さない。
もう後戻りしない、這い回る授業にはしないという覚悟を含めて、「授業観の転換=パラダイムシフト」なのだ。

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