自己調整能力を育む指導方針の転換
箱根駅伝で優勝した駒澤大学の大八木監督の言葉。
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駒大を支えたのは、大八木監督と選手のコミュニケーションだった。時代に合わせた指導法が、集大成の大一番で成果を証明した。
(中略)教え子である藤田ヘッドコーチは「昔は監督がこうといったら、こう。私から何か意見を発することはなかった。言われた通りにやれば強くなると信頼して練習に取り組んできた」と振り返る。
熱血指導で大学駅伝を引っ張ってきたが、方針を変えたのは「6年くらい前」。大八木監督は選手たちを「子どもたち」と呼び、積極的にコミュニケーションを取ることを心がけた。「今までは一方通行だった。話しやすいように親子の感覚も必要かな」練習内容も数種類用意して選手たちに選択させる。「私だけで決めるのではなくて、選手にも考えさせながら実行する。疑問を持たせることの大切さをテーマにしてやっている。
対話を重ね、選手たちが成長し、監督への信頼も生まれる。エース田沢が 「各学年にエースができた」と言うほどに選手層の厚いチームをつくりあげた。
中日新聞1/4付
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・・・「教える(黙って言われたことをやれ)」から「選択させる・任せる・考えさせる・疑問を持たせる」への移行。
そのための「対話」「コミュニケーション」「相手を尊重する意識」
まさに自己調整能力を育む方向での指導転換だ。
青山学院の原監督も同じようなことを言っていた。
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「今回も、私がもっとああせい、こうせいと言ってリーダーシップを発揮すれば結果は違っていたかもしれない。でも、そういう人間を育てるために陸上を指導してるわけじゃないから。自分で考え、自分でプレッシャーをハンドリングできる人材になって欲しいということなんだけど…
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・・・時代の問題ではないと思うが,監督が全てのメニューを決めて、しゃにむにやらせるだけでは選手は育たない。
過去にも原監督は練習の相談に来た学生に「お前はどう思うのか」を問うたと聞いたことがある。
こうした指導方針の転換が、教育現場でも求められている。
「教える」から「学びとる」への教師の「パラダイムシフト」。そのヒントの1つになるエピソードだ。
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