初任者を苦しめる要因(5)
1日中仕事をしても、疲れ知らずで楽しそうな人がいる。
疲労は労働時間の長さでは決まらない。
だから、落合陽一氏は、超過勤務は、時間超過ではなくストレス超過で判断すべきだと言う。
◆働く時間、休み時間という捉え方より、ストレスのかからないことのバランスの方が重要だ。(中略)
要するに1日中「仕事」や「アクテイビテイ」に従事していても、遊びの要素を取り入れてストレスコントロールがちゃんとできていれば、それでもいい。「超AI時代の生存戦略」落合陽一(大和書房)P33・34
これを学校現場に置き換えてみると
◆先生たちは、日々の仕事を楽しめているか。
◆先生たちは、この仕事が好きなのだろうか
が気になってくる(子どもが好きかどうかも気になってくる)。
毎日暗い顔をした先生を見ていると、楽しめていないなと思う。
◆事前準備をぬかりなく行い・・うまくいき・・成功体験を味わえ・・次もがんばろうと思う好循環に対して、
◆準備不足で挑む・・撃沈する・・失敗して落ち込む・・次への意欲がわかないという悪循環がある。
落合氏の言うように「ストレスコントロール」が必要だ。
たまたま「発達障害の二次障害」の次の特徴を読んで、うまくいかない教師のメンタルも同じじゃないかと思ってしまった。
・低い自己評価(自分へのあきらめ)
・どうすればいいのか分からない困惑(困り感)
・自分の存在を否定する周囲への反発
・すべてに対するやる気の喪失
・怒りなどの情動抑制の不能
・自分を評価しない周囲への反発
・自分の将来への悲観(自暴自棄)
・・・「事前準備さえぬかりなければ、必ずうまくいく」とは限らない。
しかし「うまくいく可能性(成功率)」は高くなるよね。
数回がんばったくらいで「成功」はしないかもしれないが、数を積めば「成長」はするよね。
「成功」にこだわると「失敗」が気になって一歩が踏み出せなくなる。
だから「成功」なんて、めざさなくていい。
「好き」で挑戦し、少しずつ「成長」していけばいい。
日々の授業、日々の学級経営を楽しんでくれればそれでいい。
東京オリンピックの試合後のインタビューで「がんばりました」より「楽しみました」と答える選手が何人かいて印象に残っている。
行動そのものを楽しめていれば、結果がどうであろうと納得できる。胸を張れる。
「好き」と言う気持ちがあれば、止まない雨はないし、明けない夜はない。
「仕事を楽しむ」は、慣れない初任にとっては、難しい課題だと思う。
決して容易なことではないが、せっかく縁あって就いた職業だ。
教職を楽しむ・日々を楽しむという心意気を持ってほしい。
※警告
「楽しければ超過勤務でも苦にならないでしょ」という上司の押し付けは「やりがい搾取」であり、パワハラです。
◆やりがい搾取とは、労働者の「やりがい」を利用して、雇用主が従業員に不当な長時間労働・低賃金で業務を強いて、利益を搾取する行為です。
「やりがい搾取」は、東京大学大学院教育学研究科教授・社会学者である本田由紀氏が2007年前後に定義した労働搾取構造を意味します。
「ブラック企業」や「名ばかり管理職」などと同じく、労働者の権利を侵害するキーワードとして注目が集まり、官民共同での抜本的改革が求められています。
https://romsearch.officestation.jp/jinjiroumu/mentalhealth/5014
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