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June 29, 2023

道徳授業を「共感性」で考えてみた!

 『子どもを呪う言葉・救う言葉』を読んで、これまで意識したことはなかった「共感」について考えてみた。
 高齢者に投資詐欺を行った少女マイの事例に「人の気持ちが分からない悲劇」という見出しがついている。
 共感能力が低く、被害者の気持ちを想像するのが難しい少女マイは、内省が深まらなかった。心配性の祖母の過保護・過干渉によって、同年代の子たちとの関りが不足し、共感性が育つ機会が奪われてきたことが原因の1つだ。
共感(他者の気持ちが自分のことのようにわかること)の前提には2つあると言う。
(1)「人の感情を正確に認知できる」
・・目の前の人が怒っているのか、泣いているのかといった、感情を表情から読み取って認知すること。
(2)「人の感情を正確に推測できる」
・・笑っているけれど、悲しい。冷静にしているけれど、怒っている。認知に基づきながら、相手の気持ちを推測できることが必要。
◆共感性はさまざまな人とのリアルなコミュニケーションから育まれます。ちょっとしたひと言で傷ついたり、ケンカになったり仲直りしたりと、対人関係上の失敗も共感能力を高めてくれます。普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも体験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました。(中略)
マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。P177-178
 
 少女マイの解説を読んで、何人かの子供の顔が浮かんだ。
 注意しても響かず、嫌がっている友達の気持ちが分からず、自分の感情の赴くままに行動する子供たち。
「事前予知能力の欠如」も感じるが、やはり「共感性の欠如」かなあと思う。
「共感性」を学ぶ手順は、次のように書いてある。
 これは、まさに 道徳の授業のステップのようだ。
◆最初は「順番を守るように言われたからそうする」ということでいいのです。ルールを覚え、無用なトラブルを起こすことなく過ごせるのが第一段階です。次に、共感性に基づく判断ができることが重要です。「私が順番を守らないと、ちゃんと並んでいる人はどういう気持ちになるだろうか」と考えることができ、自分でより良い選択ができるということです。
◆もし子どもが「だって○○ちゃんはいつも自分勝手だから、バカって言いたくなるのも仕方ないよ」と話したら、「そう思ったんだね」と言い訳を否定せず聞いてあげましょう。
たくさん話しているうちに自分で「でもあの言い方はちょっとひどかったな。傷ついていると思うから、明日あやまろうかな」と気づくかもしれません。自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「○○ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです。P185
・・・形だけの「反省」、口だけの「反省」では何の意味もないから、「内省」をさせよと言う。
◆「反省しなさい」という言葉は抑圧を生みます。その子が抱えている不満を聞いてあげることなく一方的に反省を押しつければ、不満はどんどん蓄積し、いずれ爆発するでしょう。
繰り返しますが大事なのは内省です。自分の行動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここが良くなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください。(P188)
そして、自分の気持ちに向き合う方法として「ロールレタリング」を紹介している。①自分から母親、②母親から自分、 ③自分から母親・・のようにすべて自分1人で役割を入れ替えて手紙のやり取りをする。
道徳授業でも、主人公の気持ちになって手紙を書くという活動がよく行われる。
登場人物にお手紙を書くという道徳の活動も、ロールレタリングの1つであり、「共感力」を育む手法の1つということだろうか。
そもそも道徳授業って共感力を育てることか、という気持ちを強くしたのでした。
Hikou

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