漢字テストに取り組む「自己調整学習の能力」
終業式の少し前、あるクラスで漢字50問テストの練習をさせていた。
途中で解答を配り、合格できるように声かけをしていたが、最後までがんばって漢字練習する子と途中であきらめる子がいた。
合格が遠いと感じる子は早々にあきらめてしまう。しかし、たとえ満点は難しくても、1つでも多く正解するように「今の自分が必ず正解できるのはどの漢字で、あと少しで正解なのはどの漢字か」を自分で判断し、自分で課題設定できることが望ましい。逆に言うと最後まで全力を尽くしてる子はすごい。
そうか、これが「自己調整学習」だな。
自己調整学習で、いくつか検索して、分かりやすかったのが以下のサイト。
引用しながら話を進めていく。
◆新学習指導要領に基づいた資質・能力の育成に向けて、主体的・対話的で深い学び、個別最適な学習など、従来から大きく転換する新しい学びが学校教育に導入されてきています。
この新しい学びにおいて、文部科学省も重視すべきと言及しているのが「自己調整学習」です。
・・・そうか、「自己調整学習」は、そんなに重要なワードだったのか。
◆ICTを活用した個別最適な学びは、一人ひとりの学力や特性に合った学びができ、これまでの一斉授業より効率よく学習を進められるという大きなメリットがあります。
しかし、学習意欲・基礎的な学力が高い生徒は自ら進んで学習する一方で、そうでない生徒は学習しない状況が生まれ、学力差がどんどん開いてしまう懸念点があるのです。
・・・今日の漢字練習の場面もまさにこの後段の通りで、取り組み差が大きくて学力差が開いてしまう懸念がある。個別最適な学びの副反応か。
◆①動機づけ
目標設定や学習計画の作成をする段階では、生徒自身の「自分はここまでできる」という自己効力感や、教師が生徒に「学習したい」と思わせる動機づけが重要です。
自己効力感をもつ生徒に動機づけが成功した場合、学習への興味関心や学習意欲を保ったまま自ら進んで学習していけます。
・・・なるほど、「自己効力感」と「動機づけ」か。来週漢字50問テストの本番をやりますよだけでは、動機づけが足りない。
「自分はここまでできる」と見通しを立てさせるステップが足りていなかった。
◆なかでも同一化的調整(「自分にとって重要だから行う」という動機づけ)による学習は、学業成績に良い影響をもたらすという研究結果も出ています。
・・・ここもなるほど!
「自分にとって重要」という自覚がないから、チャレンジに熱が入らないのだ。
別件になるが、漢字の学習は「語彙習得」としてもとても意味がある。
◆例えば、漢字の書き方や読み方、計算の仕方を覚えることを目標に設定したとしましょう。(中略)
効果的な学習方法は人によって異なるため、繰り返し学習の方が効率よく学習できる人もいれば、「なぜ?」を深掘りして理解度を高める方が定着しやすい人もいるでしょう。
こうした自分の適性を見極め、「自分にはこの学習方法が合っている」「今回やった方法Aは合わなかったから次はBに挑戦しよう」のように自己調整していくことで、より自律的で深い学びを実現できます。
・・・何度も書いて覚える子の姿が少なかったから、「みんなやる気がないな・すぐあきらめているんだな」と勝手に感じてしまったが、学習方法は様々だから非難するのは早計だった。
◆メタ認知は、大きく2つの段階に分けられます。
モニタリング…自分自身を客観的に観察して課題を認識する
コントロール…課題を自覚したり、行動を改善しようとしたりする
(中略)
メタ認知を身につけるためには、学習を振り返って気づきを得る時間やメタ認知に関する知識を増やす機会を継続的に設けることが大切です。
メタ認知のスキルは、生徒自身が自分の課題に気づく土壌を育てなければ向上していきません。
・・・メタ認知はこの2つの段階で分けられる。
モニターできなければコントロールできるはずがないから、
まずはモニター(自己分析と課題把握)だ。
その上でコントロール(改善行動)。
◆振り返りの時間を継続して設け、気づいた内容を生徒間で共有したり、教師が生徒の課題や変化を言語化してあげたりすることで、メタ認知の知識とスキルが少しずつ伸びていくのです。
・・・振り返りは「モニタリング+コントロール=メタ認知」のためにするのだ。
自分の課題はどこか、課題克服には何が必要か、そこを自問できないと「振り返り」にならない。
「メタ認知のスキルは、生徒自身が自分の課題に気づく土壌を育てなければ向上していきません」
とある通りなので、指導者のフィードバックや言語化の力量が問われている。
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