改めて「ミラー・ニューロン」を学ぶ その3
「少しの努力で『できる子』をつくる」池田清彦(2011年10月初版)講談社文庫
幼児の発話について、ミラー・ニューロンと関連づけた解説がある。
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◆子どもはそうこうしているうちに、乳児語のようなわけのわからないことをグジグジと言いはじめます。これを専門的に喃語(なんご)といいます。これは大人の真似をしているんです。自分でも意味が分かっているわけではないんだけれども、何かグジグジと「発声の練習」をやっているんですね。だからそのグジグジとした乳児語はそのまま言わせておいて、母親もグジグジと真似をして同じように言ってあげましょう。そうするととっても喜びますから。
これが先ほどお話ししたミラー・ニューロンの働きです。母親が自分の発声と同じことをしている、と気付くことでミラーニューロンが興奮します。そこで自分が母親の真似をするとさらにそのミラーニューロンは興奮して、その行動自体が確固としたものに固定されていくわけです。そういうふうにして初めて、赤ん坊は徐々に発話ができるようになっていきます。p 71
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・・・真似すると興奮する。真似されるのも興奮する。
「ミラー・ニューロンが興奮して、その行動自体が確固としたものに固定されていく」
という指摘に、どんな活動が当てはまりそうか列挙してみた。
教室の音読、話す聞くスキル、暗唱、合唱、百玉そろばんの数唱、英会話のチャンツ、「いただきます」「おはようございます」「さようなら」、応援の掛け声、・・・
みんなで声をそろえると一体感があって心地よい。
みんなが同じ発声をすることで、ミラー・ニューロンの興奮を呼び起こしているということなのだろうか。
上記の喃語(グジグジ)の復唱は、お母さんが乳幼児に「それでいいんだよ」のサインを送っているのだと思う。
真似されてうれしいのは「承認欲求」も関係しているに違いない。
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